東急不ら/国内初の浮体式太陽光発電を実証、電力の地産地消モデル構築へ

東急不動産らは浮体式太陽光発電の技術実証に向け、必要な設備を東京湾内の海面に設置した。同種技術の実証は国内初となる。電力を地上の蓄電池に蓄えた上で、ベイエリアで運行する電動モビリティに供給。地産地消できるモデルを構築しており、将来的には国内各地への展開を目指す。
9日に発表した。事業は東急不と、オランダ・ロッテルダムの太陽光発電企業「SolarDuck」が推進。東京都の技術実証事業「東京ベイeSG プロジェクト 先行プロジェクト」の採択を受けている。
設備は中央防波堤(江東区)を通る東京臨海道路の、臨海中央橋付近に設置した。大きさは30メートル×26メートルで、高さは6メートル。出力は80~100キロワットとなる。実証では電力を蓄電池にため、モバイルバッテリーに移して運搬。東京都が12~21日に海の森エリアで開催するイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」の会場に運び、電動自転車や電動船に給電する。
東京など都市部は郊外や他県にある発電所からの長距離送電に頼っている。エネルギーのロスが大きいほか、発電に伴う環境負荷などのリスクを地方に負わせる点も課題とされる。
東急不は地産地消体制の確立を目指し、実証を通じて各地に展開できるモデルに仕上げたい考え。地方では風力発電によるエネルギー地産地消体制の確立を目指し、北海道松前町では町と連携して取り組みを推進している。

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