建設機械大手3社/24年3月期決算、コマツと日立建機が最高益更新

建設機械大手3社(コマツ、日立建機、コベルコ建機〈神戸製鋼所建設機械部門〉)の2024年3月期決算が9日に出そろった。コマツと日立建機は、建機の販売価格アップや円安効果などを背景に好調さを保ち、連結の売上高と営業利益が過去最高を更新した。25年3月期は世界的な需要が減速するとの見方が強い。コマツと日立建機は連結ベースで減収営業減益を見込む。
24年3月期の業績を見ると、コマツは北米や中南米、オセアニアなどが好調で、建設機械・車両部門の売上高は前期比9・7%増の3兆6152億円となった。物量減や原価・固定費の増加があったものの、為替と販売価格のプラス影響で吸収し、同部門の営業利益は29・4%増と大幅にアップした。
日立建機は連結売上高を11・1%増の1兆4059億円に伸ばした。独自展開を進める米州を中心に堅調な売り上げ増加が後押しした。部品・サービスやレンタル・中古車などの「バリューチェーン事業」も好調で過去最高を記録した。
コベルコ建機は、販売価格改善や円安がプラスに働いた一方で、エンジン認証問題に関する補償金収入の剥落から増収経常減益となった。
24年度需要について、コマツは主要7建機が前年度比5~10%減、日立建機は油圧ショベルが5%減と予測。25年3月期の業績予想でコマツは、建設機械・車両部門で減収を見込む。需要減による物量減や為替差のマイナスが影響する。コベルコ建機はエンジン認証問題の段階的な解消により、油圧ショベルが欧州で、クローラクレーンが欧州と北米で販売増となる見通しだ。
日本国内は建設業の「2024年問題」を踏まえ、生産性向上が急務となっている。需要が伸びない中で「スマートコンストラクションをいかに伸ばすかがキーになる」(コマツ)との声も上がる。

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