根浜の水の生き物にすみかを 釜石・有志がビオトープ整備

竹の枝などを池にさし込み、生き物のすみかを作る子どもたち

 岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)町の根浜シーサイドキャンプ場付近にビオトープ(生物生息空間)が整備された。自然保護活動に取り組む、かまいし環境ネットワークの加藤直子代表(77)が「東日本大震災津波で失われた水辺で暮らす生き物たちのすみかを」と発案。生態系を守りながら、子どもたちの環境教育の場としても役立てていく。

 根浜ビオトープは0.8アールほどで付近を流れる沢の水を引いた。同ネットワークと観光地域づくり法人かまいしDMCが6日、整備後初となるイベントを開催。家族連れら約40人が水生生物のすみかとなる竹の枝などを池に丁寧にさし込んだ。サンショウウオやオタマジャクシなどが生息しており、観察も行った。

 釜石中1年の桜井真衣さんは「この場所がもっと自然豊かになって、今以上に生き物が増えてくれたらうれしい」とほほ笑んだ。イベントに参加した日本ビオトープ協会(東京)の野沢日出夫相談役は「新たな命を育む場所として活躍してほしい」と期待した。

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