今季初のアンダー発進 渋野日向子は“鬼門”突破で「気持ち的にも前とは違う」

渋野日向子は3アンダーで回り好スタートを切った(撮影:ALBA)

<コグニザント・ファウンダーズカップ 初日◇9日◇アッパー・モントクレアCC(ニュージャージー州)◇6536ヤード・パー72>

4バーディ・1ボギーの「69」。渋野日向子は初日を3アンダーの好位置で滑り出した。「初日が課題のところがあった。クリアではないけれど、アンダーで回り切れたというのは、2日目以降も気持ち的には前とは違うのかな」。今季最高のスタートダッシュを決めた一日を素直に喜んだ。

今大会が今季8試合目。予選落ちに終わった3月「ファーヒルズ朴セリ選手権」のイーブンパー・44位タイがここまでの最高順位のスタートだった。そのほかの大会はすべてオーバーパー発進。“鬼門”を突破し上位での決勝行きを目指せる位置につけた。

この日は同じく黄金世代の勝みなみと同組でプレー。アイアンで確実にレイアップした2番パー5で、ピン上4メートルのパットを沈めバーディを先行させた。4番ではナイスアプローチを見せるもボギー。それでも、この日のボギーはこの1つだけ。7番で取り戻すと、5番ユーティリティで5メートルにつけた13番、ピン奥2メートルにつけて流し込んだ最終18番でバーディ。耐えるシーンもありながら、終始、安定したプレーを展開した。

「グリーンを狙うショットがちょっと安定していたかなとは感じた。前よりはじゃっかん球をコントロールできたショットが何個かあったかな」。パーオンは13回。5メートル以内につくようなチャンスも多く、いくつかそれを決め切ることができた。

メジャー今季初戦「シェブロン選手権」から2試合連続で予選を通過。1週間のオープンウィークを経て今大会を迎えた。「前の2試合で気持ち的にもすごく前向きになれているという感覚がある。(きょうは)楽しくラウンドができた。ゴルフの内容も、自分の頭のなかや心のなかも考えるとすごい良かった」。準シードとしてスタートした米3年目のシーズンは苦しい序盤を過ごしてきたが、最近はうつむく時間も減ってきた。

取り組むショットについても、手ごたえを感じ始めているところもある。「思うようなドローが打てないなかではあったんですけど、“ちょっと戻ってきてくれてるな”と思うショットが多かった。前よりは自分の打ちたいショットが打てている回数が増えているかな」。18番ではグリーン右サイドに切られたピンに対して、果敢に攻めていた。

もう少し伸ばせたような一日で悔やむ場面はありながらも、満足感とともにグリーンを降りることができた。「スタートダッシュがちょっとでも良かったら上を目指したいし、その気持ちは絶対に持っとかないと。上を目指して頑張ります」。この流れに乗って、カットラインではなく首位の背中を追いかける2日目へと向かう。(文・笠井あかり)

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