議員のなり手不足に苦悩 岩手・市町村議選、23年度4分の1無投票

 岩手県内で市町村議のなり手不足に歯止めがかからない。2013年度以降に実施された議員選の5分の1は無投票で、23年度に行われた23市町村議選では4分の1に上った。4月の大船渡市議選は1952年の市制施行以来、初めての無風に。背景には待遇面や政治への関心の低さがあるとみられる。議員報酬の引き上げや高校生の意識喚起に向けた試みもあり、各地で模索が続く。

 4月14日告示の大船渡市議選は現職16人、新人4人が無投票当選。初当選した岡沢駿議員(33)は「自分の主張を知ってもらう機会を得られず、非常に残念だった」と振り返る。

 同市議の議員報酬月額は32万円(正副議長除く)。政務活動費は県内14市で最低の月額7千円だ。市議会は23年2月、任意の議員定数等検討委を立ち上げて定数削減や報酬などについて議論を開始。今後は特別委員会に切り替え、審議を本格化させる予定だ。

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