CCUS応援の自販機設置 近藤建設(富山)カードかざし飲料無料

建設現場に設置されたCCUS応援自販機=富山市高木西

 近藤建設(富山市緑町、近藤裕世社長)は、作業員の就業履歴を蓄積する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」と連動した自動販売機を富山市内の建設現場2カ所に設置した。CCUSのカードをかざすと飲料が無料になる。システムの登録・活用を促し、作業員のキャリア形成を後押しする。同社によると県内初の取り組み。

 CCUSは技能・経験に関する情報を登録し、業界全体で共有する仕組み。作業員の実務経験が待遇に反映されにくい業界の課題を受け、国土交通省が2019年に導入した。ただ登録が少なく、記録に必要なカードリーダーへのタッチも定着していないのが現状だ。

 近藤建設は今月17日に創立75周年を迎えるのに合わせ、サントリービバレッジソリューション(東京)と協力しCCUS応援自販機を設置した。CCUSカードをリーダーにかざすと飲料が1日2本無料になる。費用は近藤建設が負担する。

 現場は複数の協力会社が参加しており、自販機の利用を増やすことで作業員同士が打ち解けるきっかけにしてもらう。同社は熱中症対策に全現場で清涼飲料水や塩飴の配布にも取り組んでおり、担当者は「労働環境の改善に力を入れ、安心して働ける業界を目指したい」としている。

 本社ビルでは今月、鮮度や栄養に配慮した設置型社食「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」を始めた。東京の企業が展開するサービスで、冷蔵庫にサラダやフルーツ、スムージーなど、冷凍庫に多彩な惣菜を常備。社員の健康へのニーズが高いことを踏まえて導入した。

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