今から一年ほど前の２０２３年３月にサムさんはイングランドからあちこちを旅しながら、ふらりと聖母の騎士修道院にやってきました。 泊まる宿がないということで少しの間、滞在する場所を提供することになりました。
コルベ神父様ゆかりのこの地が、コロナ禍ということもあり、ほとんど巡礼者がいないことを見てとったサムさんは「この巡礼地を人が溢れかえるようにしなければならない」と院長神父様に話しました。
それからしばらくすると、外国からの旅行者が聖母の騎士修道院に宿を求めて訪れるようになりました。なんとインターネットの世界的な規模の宿泊施設のサイトに
聖母の騎士修道院が 「ルルドのお宿イン長崎」 という名前の格安の宿泊施設として登録されてしまっていたのです。 海外の大きな巡礼地には巡礼者のための宿が併設されていることがあり、サムさんはそのことから着想を得たのでしたが、そのような準備も体制も整っていなかった修道院には大きな混乱を招くことになってしまいました。
ねばり強い話し合いの結果、サムさんは自身の計画をあきらめてくれましたが、しばらくの間は宿泊のために訪れる旅行者の対応に苦慮することとなりました。
聖母の騎士 2024年6月号より掲載
