女子プロの妹勢 脇元桜と植竹愛海はそれぞれの想いを持って「優勝」を狙う

脇元華の妹・桜(左)と植竹希望の妹・愛海(撮影:福田文平)

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第3戦 マイナビカップ 初日◇9日◇森永高滝カントリー倶楽部(千葉県)◇6230ヤード・パー72>

初日をイーブンパー・9位タイで終えた脇元華の妹・桜は今大会が2023年8月以来の出場。3日(金)には25歳の誕生日を迎え、出場資格が(2024年12月31日時点で)満25歳以下となる同ツアーではあっという間にラストイヤーとなった。

21年にはヘルニアを発症し、その後坐骨神経痛に発展。一時は私生活に支障が出るほどの痛みに悩まされた。故障後は日々トレーニングやストレッチを行うなかで「自分の身体を知れるようになったし、考えるようになった」と今は前向きにとらえているが、「もうゴルフができないかも…」とメンタル面で苦しんだ時期もあった。

桜は今年の冬に地元宮崎で、男子プロゴルファーで永久シードを保持する片山晋呉と合宿を行った。そこで教えてもらったワンポイントを継続的に取り組んだ結果、「自分のイメージする球になってきた」と、ようやく光が見え始めた。

もともとドローヒッターの脇元だが、高いドローボールが打てるようになったことでショットへの恐怖心が払拭。自身のイメージとターゲットに対する球の出し方が少しず噛み合うようになってきている。平均飛距離240ヤードのドライバーも試合になると「なぜかわからないけど…」と260ヤードほど飛ぶという。試合でしか見られない豪快な飛距離と好調なショットに注目だ。

最終日は1打1打を大事に「(バーディを)獲れるところを獲って、コツコツやっていきたい」と意気込む。苦しかった時期を乗り越え、改新した桜の目標は「プロテスト合格」の一択。そこに向けて「たくさん試合に出て、今年こそ優勝したい」と同ツアー自身のラストシーズンで初優勝を狙う。

一方で国内女子ツアー1勝の植竹希望を姉に持つ愛海(なるみ)は、2アンダー・首位タイで初日を終えた。きょうのプレーを「90点」と評価した。

2年前からスイング改造に取り組んだ。「やっとスイングが固まってきて、理想に近づいている」と話す植竹は2バーディ・ノーボギーの「70」でラウンド。「良くなっているのが目に見てわかった。練習を頑張れば結果もついてくる」と、試行錯誤を繰り返しながら取り組んだスイング改造の成果が少しずつ出ている。また、曲がり幅や打ち分けができるようになったこともドッグレッグの多い森永高滝CC(千葉県)の攻略となり、アンダーパーで回る結果につながった。

姉・希望は4月から右股関節唇損傷の治療に専念している。もともと、調子がいい時期がかぶらない姉妹だけに愛海は「お姉ちゃんが休養中だから頑張りたい」といつも以上に気合が入っている。「姉妹でツアーに参戦して優勝争いをする」という夢を叶えるためにも、最終日は「楽しく、伸ばせるだけ伸ばしたい」と意気込んだ。(文・小池文子)

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