『劇場版 アナウンサーたちの戦争』森田剛主演NHKドラマ映画化、「電波戦」に苦悩する報道関係者たち

『劇場版 アナウンサーたちの戦争』が、2024年8月に公開される。

戦時中の「電波戦」苦悩し葛藤するアナウンサーたちを描く

『劇場版 アナウンサーたちの戦争』は、2023年8月14日(月)にNHK総合テレビ「NHKスペシャル」にて放送されたドラマを映画化した作品。実話をもとに、戦時中における放送と戦争の知られざる関わりを描く。

題材となるのは、太平洋戦争において、日本軍の戦いを支えていたラジオ放送による「電波戦」だ。ナチスにならい、「声の力」で戦意高揚・国威発揚を図り偽情報で敵を混乱させていたのは、日本放送協会とそのアナウンサーたちだった。真実とは異なる報道や、国の扇動に加担しなければならなかったアナウンサーたちが、現実に悩み、葛藤する姿を映し出す。

主演は森田剛

物語の主人公は、開戦ニュースと玉音放送の両方に携わった伝説のアナウンサー和田信賢。主演・森田剛が演じる。この他、橋本愛、高良健吾、安田顕、大東駿介、浜野謙太、水上恒司といった面々がキャストに名を連ねている。

主人公・和田信賢…森田剛
戦前から全国的人気があった伝説のアナウンサー。相撲や野球の実況放送、ニュース、朗読、演芸番組など幅広い分野で活躍し“不世出の天才”と呼ばれた。戦況が悪化するにつれ、大本営発表を疑問視しはじめる。

和田実枝子…橋本愛
戦前の1939(昭和14)年に入局した、女性アナウンサーの草分け。軍や情報局の圧力で活躍の場を奪われてしまう。和田信賢の妻となる。

館野守男…高良健吾
開戦臨時ニュースを読み一躍名をあげた新進気鋭の若手アナ。

米良忠麿…安田顕
1931(昭和6)年に入局した和田信賢の先輩アナ。面倒見がよく後輩から慕われ、事務処理能力が高く、“電波戦士”として開戦後に派遣されたマニラ局ではナンバー2として局長を支えた。

志村正順…大東駿介
和田信賢の1期下の後輩。戦後もNHKを代表するスポーツアナとして活躍し続け野球殿堂入りした。

今福祝…浜野謙太
秘密裏にベトナムに派遣され、偽ニュースで敵軍を攪乱する謀略放送に従事したアナウンサー。

朝倉寿喜…水上恒司
早稲田大学生。野球部主将。1943(昭和18)年10月、神宮外苑の出陣学徒壮行会で送られ、終戦の年、特攻隊員として飛び立つ。

赤沼ツヤ…藤原さくら
学生時代は実枝子と同級生、入局も1939(昭和14)年の同期だった女性アナウンサー。

川添照夫…中島歩
和田信賢の後輩で多くのアナウンサーが戦争をあおる情熱的な“雄叫び調アナウンス”になっていく中で、「宣伝・情熱は危険だ」と勇気ある苦言を呈し続けた。

長笠原栄風…渋川清彦
集金係からアナウンサーに転身した頭脳派。オランダ領東インドのジャワ島への陸軍侵攻にあたって“謀略放送”による電波戦を主導、敵を混乱させ大きな戦果を挙げた。

並河亮…眞島秀和
日本放送協会で海外放送を担当していた番組制作のホープ。情報局発足にあたって、放送局とのパイプ役を求められ、情報局情報官として出向。

中村茂…遠山俊也
ラジオ放送開始の1925(大正14)年に入局。青年将校らが官邸など政府機関を占拠した二・二六事件では『兵に告ぐ』の名放送で投降を勧告したアナウンサー。

松内則三…古舘寛治
野球や相撲など日本のスポーツ実況放送の原型を作ったアナウンサーで講談調の実況が全国的に大人気だった。

下村宏…小日向文世
終戦の年1945(昭和20)年4月、情報局五代目総裁に就任。直前まで日本放送協会の会長を務め和田信賢アナを信頼していた。

『劇場版 アナウンサーたちの戦争』あらすじ

国民にとって太平洋戦争はラジオの開戦ニュースで始まり玉音放送で終わった。奇しくも両方に関わったのが天才と呼ばれた和田信賢アナと新進気鋭の館野守男アナ。1941年12月8日、大本営からの開戦の第一報を和田が受け、それを館野が力強く読み、国民を熱狂させた。同僚アナたちは南方占領地に開設した放送局に次々と赴任し、現地の日本化を進めた。

しかし、やがて戦況悪化のなか、大本営発表を疑問視し始めた和田と「国家の宣伝者」を自認する館野は伝え方をめぐって激しく衝突する。出陣学徒を勇ましく送り出す実況を任され、ただ苦悩する和田を、妻となった実枝子が叱咤し目覚めさせる。そして館野もインパール作戦の最前線に派遣され戦争の現実を自ら知ることになる。戦争末期、マニラでは最後の放送を終えた米良に米軍機が迫る。そして戦争終結に向け動きだした和田たちにも…。

【詳細】
『劇場版 アナウンサーたちの戦争』
公開時期:2024年8月
出演:森田剛、橋本愛、高良健吾、浜野謙太、大東駿介、藤原さくら、水上恒司、降谷建志、渋川清彦、中島歩、眞島秀和、古舘寛治、小日向文世、安田顕
作:倉光泰子
音楽:堤裕介
語り:橋本愛

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