原城跡沖に「白洲」出現 長崎・南島原 大自然がもたらす「海の奇跡」 

白洲で磯遊びするツアー客=南島原市、原城跡沖

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ、原城跡(長崎県南島原市南有馬町)から約300メートル沖合に、世界的にも珍しい乳白色の浅瀬「白洲(しらす)(リソサムニューム礁)」が姿を現している。
 白洲は石灰藻の一種で、普段は海底約4~8メートルに沈んでいて見ることはできないが、春から初夏の最干潮前後にその一部が浅瀬となって現れ、船で上陸することができる。見た目はコンペイトーに似ており、地元では「白洲の真砂(まさご)」と呼ばれている。世界で白洲が見られるのはインド洋や英国の海岸など数カ所という。

サンゴのように硬い石灰藻「リソサムニューム」

 8日はあいにくの雨だったが地元の漁船組合が上陸ツアーを実施。12人の行楽客が白洲が海底に沈む約30分の間、遠浅の海で海藻を採ったり、写真撮影したり、思い思いに楽しんだ。
 諫早市幸町の主婦、若杉みどりさん(51)は「4回目の上陸だが、いつ訪れても、不思議な場所」と大自然がもたらす“海の奇跡”に驚いていた。

© 株式会社長崎新聞社