アルティーリ千葉、悲願へ正念場 11日から越谷とPO準決勝

4日の静岡戦でゴール下で競り合うA千葉のパードン=千葉ポートアリーナ

 悲願達成まであと2勝だ。バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)東地区を2連覇したアルティーリ千葉が、11日からB1昇格をかけたプレーオフ(PO)準決勝へ挑む。先に2勝し、決勝に進めばBリーグ参入3年目での昇格が決まる。ホームの千葉ポートアリーナ(千葉市)に迎えるのは同地区2位の越谷。レギュラーシーズン(RS)で幾多の好勝負を演じたライバルとの対戦は、まさに正念場だ。

 RSは無双だったアルティーリ。60戦56勝と圧倒的な強さで東地区を連覇した。越谷とはシーズンの勝ち数で21差あり、数字だけを見れば圧倒的に有利だ。過去2年間の対戦成績は8勝4敗で、今季も5勝1敗と大きく水をあける。ただ、いずれも小差で勝負がついており、今季5勝のうち3勝は逆転での白星と、油断はできない。

 今季はチームの完成度が格段に高まっている。昨季はゲーム終盤に失速し、そのまま黒星を喫することもあったが、「30分はこちらが勝っていても、最後の10分で試合を決められてしまう」と敵将が口をそろえるように、最後に驚異的な粘りを発揮。ホーム最終戦の越谷戦(4月14日)も11点ビハインドで迎えた最終クオーターに試合をひっくり返した。

 昨季は昇格の懸かった準決勝で、主力のライオンズがまさかの負傷。そのまま勢いを失い涙をのんだ。

 迎えた今季、悲願達成へオフに積極的な補強を敢行。選手の競争につながり個々のレベルが向上した。主力がけがなどで離脱しても、他の選手がカバー。POに向けレマニス監督も「キーマンはいない。全員がチームのために常に何ができるかを考えている」と選手層の厚さに自信を示している。

 アシュリー、パードンら外国籍選手の働きはもちろん、日本人選手の活躍も欠かせない。大一番へ、攻守のけん引役である杉本慶は「POでは、どんな状況でも自分たちのバスケットをできるかが鍵となる」。クラブ全体の思いを代弁した。

B2リーグ東地区2連覇を果たし会場のファンに感謝するアルティーリ千葉の選手たち=3月3日、アオーレ長岡(新潟県長岡市)...

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