米運輸当局、フォードのSUVリコールで安全上の懸念表明

David Shepardson

[ワシントン 9日 ロイター] - 米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は9日、米自動車大手フォード・モーターによるSUV(スポーツタイプ多目的車)4万2000台強のリコール(回収・無償修理)対応について、「重大な安全上の懸念」を表明した。

NHTSAは先月、リコール対象である1.5リッターエンジン搭載の2022─23年式「ブロンコ・スポーツ」と22年式「フォード・エスケープ」について、フォードが提示した是正措置の妥当性と安全性への影響を調査していると発表していた。

フォードは、燃料噴射装置に亀裂が生じ、燃料が漏れる可能性があり、それがボンネットの下で出火を引き起こす恐れがあるとしてリコールを実施。エンジン制御ソフトウエアのアップデートとドレンの取り付けを提案している。亀裂が入る恐れがある燃料噴射装置の交換は提案していない。

NHTSAは同日公表したフォード宛ての書簡で、同社の計画は「問題の根本原因に対処しておらず、欠陥のある燃料噴射装置の故障前の交換を積極的に呼びかけていない」と指摘し、「重大な安全上の懸念を確認した」と付け加えた。

NHTSAはフォードに対し、6月21日までにリコールに関する広範な質問に回答するよう求めている。

フォードは3日、NHTSAの調査を支援するために協力していると改めて表明した。

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