【ヴィクトリアマイル/データ攻略】2強の1頭に「4.1.1.0」で圧勝ムード “半信半疑なら買い一択”の根拠は4走前

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今週は東京競馬場でヴィクトリアマイル(芝1600m)が行われる。2015年には3連単2000万超えの特大馬券が炸裂した荒れるレース。今週からBコースに替わることでの傾向の変化にも注目したいところだ。

ここでは、過去10年からナミュールスタニングローズにフォーカスしたデータを取り上げる。

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■ナミュールに“100%データ”該当

昨年のマイルCSで悲願のGI制覇を達成したナミュール。その後は香港、ドバイと海外を転戦しそれぞれ馬券内と海の向こうでもその力を示した。強豪牡馬相手の近走から一転、今回は牝馬同士の戦い。あまりにも格が違いすぎる……そんな前評判の裏付けとなるデータはこちら。

・古馬混合のマイルGI勝ち馬【4.1.1.0】

該当馬全頭が馬券内の“100%データ”に該当。グランアレグリアやソングラインといった安田記念勝ち馬のみならず、ヴィルシーナやストレイトガールといった“リピーター”もそれぞれ11番人気、7番人気で勝利を飾っていた。実績がモノを言うレース傾向を表したデータと言えよう。

ナミュールについて補足すると、4走前の富士Sも強調材料。芝1600m以上の条件で施行された過去の富士Sにおいて、勝利を収めた牝馬はトリプティク(GI9勝の外国馬)、シンコウラブリイ(マイルCS勝ち馬)、ノームコア(GI2勝)、ソングライン(GI3勝)と名牝がズラリと並んでいるのだ。本馬の特性を考えた時、ノビノビ走れる6枠10番の枠順も好材料。盤石データを手にした今回、胸のすくような圧勝劇に期待したいところだ。

■スタニングローズに【0.0.0.9】の鬼門

その一方で、ナミュールと牝馬クラシック戦線で覇を競ったスタニングローズは不安要素ありと言わざるを得ない。前走大阪杯は牡馬相手に勝ち馬と0秒5差。逃げる競馬で見せ場を作っており牝馬限定戦なら見直し可能と言いたいところだが、今回は血統が鬼門データとなる。

・マイル重賞勝ちのないキングカメハメハ産駒【0.0.0.9】

該当馬はすべて馬券外と、その数字は悲惨なものに。2番人気に支持されたディアデラマドレや阪神牝馬S2着から臨んだアンドヴァラナウトがいたようにまったくノーチャンスというわけではなかったが、ことごとく血統の壁に阻まれてしまっている。中距離型のキングカメハメハ産駒がこなせる条件ではないのだろう。

例年との比較で緩い流れが予想されるメンバー構成を踏まえると、中距離を主戦場としてきた本馬でも対応可能なのかもしれない。とはいえ、3歳時を最後にマイルでの馬券内がなく、厳しい流れのオークス2着とスタミナに秀でたタイプだけに東京マイルの高速馬場適性には疑問符がついてしまうのも事実だ。復調気配は明らかであることから、大きく狙いたいタイミングは距離延長の次回以降と判断したい。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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