ナダル、約3時間の激闘を制して2回戦進出。動き改善へ「リスクを冒すことに慣れる必要がある」[イタリア国際]

ナダル、約3時間マッチを制して世界108位で下す

現地5月9日、男子ツアー「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/ATPマスターズ1000)シングルス1回戦が行われ、同大会を10度制している元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク305位)が登場。予選勝者のジズー・ベルグス(ベルギー/同108位)を4-6、6-3、6-4のフルセットで下し、2回戦へ駒を進めた。

37歳のナダルは、今季での引退を示唆しており1月に約1年ぶりの復帰を果たす。しかし、怪我で再び離脱。クレーコート・シーズン初戦となったATP500バルセロナでは2回戦で敗れたものの、前週行われた「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/ATPマスターズ1000)ではアレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)を撃破し16強と、慣れ親しんだ自身の庭ともいえるクレーコートでの強さを徐々に取り戻してきた。

ナダルにとって今大会は19度目の出場。「僕らのスポーツにとって伝統的で重要な大会だ。キャリアのこの時期にまたここでプレーできることに興奮しているし、幸運だと感じている」と高いモチベーションで臨む。

1回戦は予選を勝ち上がったベルグスと対戦。第1セットでは先にリードを奪いながらも第5ゲームでブレークバックされると、第9ゲームではダブルフォールトで2度目のブレークを許して4-6で落とす。

しかし、第2セットでは第1セット同様に先にブレーク。その後、ピンチを迎えながらも勝負所を抑えてセットを奪い返した。そして最終セットは第3ゲームでムーンボールや角度をつけたフォアハンドでラリーを優位に運んでブレークすると、第6ゲームでは0-40から5連続ポイント。流れを失う場面で踏みとどまり、そのままリードを保って2時間53分の熱戦を制した。

「良い試合ではなかった。自分ができると思うプレーはできなかった」と言うナダルだが、その中でも勝利につなげるところはさすが。「勝つ方法を見つけることができたからまたプレーするチャンスを得ることができた。そういう気持ちで練習に取り組んでいる」とポジティブな面があるとした。

心配されるフィジカル面については、「マドリードやバルセロナの時とは違う。どのように改善されているかを分析し、新しい週に対応させることができるかどうかを探る必要がある。それが終わりローマにいるんだ。あと2週間半でローラン・ギャロスが始まる。自分の身体を限界まで追い込むことができるかどうか、これから起こることに備える準備ができているかどうかを証明する必要がある」とコメント。

「恐れをなくす必要があり、それは今日のような試合では助けになる。ある瞬間の動きは速くなり、そうでない時もあった。リスクを冒すことに慣れる必要があるんだ。これで何か悪いことがあっても、それを受け入れるよ。いまはプッシュするときなんだ。以前よりもそれにトライする準備はできていると思う」と、もう一段階上のレベルを目指したいとした。

一つの試練を越え、同大会通算マッチ70勝としたナダルは、2回戦で第7シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/同9位)と対戦する。

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