駒込ダム(青森市)、7月から建設本格化 準備工事は最終段階、2031年度完成へ

駒込ダムの建設現場。川の流れをせき止め、左奥のトンネルに流路を切り替える工事が進められている=青森市

 青森県は9日、八甲田山中(青森市駒込)に建設中の「駒込ダム」の工事現場を公開した。これまで進めてきた一連の準備工事を終えた後、7月から掘削を開始し、ダム本体の建設に本格着手する。

 建設場所には駒込川が流れているため、現状ではトラックが現場付近に近づけず、掘削工事で発生する土砂を搬出できない。このため、川の流れをせき止め、排水トンネルを通って下流側へ流れるように流路を切り替える必要がある。

 県東青地域県民局によると、全長345メートルの排水トンネルの工事は最終段階を迎えており、6月中に終わる予定。工事用道路の整備などは完了しているため、流路切り替え後、7月から掘削を始める。掘削は3年程度かかる見通しで、終了次第、ダム部分の建設に移る。

 駒込ダムの建設場所は豪雪地帯のため、冬場の約半年間、工事が休止される。県は9日、本年度の工事開始に合わせて安全祈願祭を開き、関係者約40人が参加した。

 同県民局の原子靖夫駒込ダム建設課長は「掘削の開始はダム工事の大きな転機となる。土砂を扱うので、より安全に注意して進めていきたい」と語った。

 駒込ダムは青森市街地の洪水被害を軽減する役割を担うほか、水力発電などにも活用される。県は2019年度にダム本体工事を開始し、31年度の運用開始を目指している。総事業費は約600億円。

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