エコ給湯器交換は18万円補助!省エネリフォームで「もらえるお金」

ヒートポンプ給湯器1台設置につき8万円を補助(写真:ABC/PIXTA)

「国や各自治体が行っている補助金や助成金制度は、年度はじめに再び開始されます。

まだ5月ですので、申請をすればお金が戻ってくる行政サービスを利用できるチャンスは大きい」

こう語るのは『60歳からの「届け出」だけでもらえるお金 最新版』(宝島社)を監修した、社会保険労務士の小泉正典さんだ。

こうした補助金や助成金は、国や自治体が推し進めたい事業が対象となっている。近年、サービスが拡充されているのが、SDGsに代表されるエコ対策だ。

今年度、国が大々的に支援しているのが「住宅省エネ2024キャンペーン」。このなかでも人気が高いのは、すでに予算の16%に達している「給湯省エネ2024事業」だ。

「家庭の電気代のなかでも大きな割合を占めるのが給湯器です。この事業は、高効率給湯器などの導入を支援してくれます」(小泉さん・以下同)

ヒートポンプ給湯器(エコキュート)は1台につき8万円、家庭用燃料電池(エネファーム)は1台につき18万円などの補助を受けられる。戸建て住宅はいずれか2台まで補助対象だ。

ちなみに従来型ガス給湯器からエコキュートに入れ替えると、年間約4万円も光熱費が安くなるという試算もある。長期的にみて切り替えを検討してみよう。

前述キャンペーンの「先進的窓リノベ2024事業」は、熱効率の悪い窓を気密性や断熱性能の高い窓に変更したり、内窓を設置したりする際、1戸あたり5万円から最大200万円の補助金を支給してくれるというもの。

「断熱効果が上がるため、エアコンが効率的に運転され、電気代が節約されます」

同キャンペーンで、エネルギー価格の高騰により影響を受けやすい18歳未満の子供がいる子育て世帯や、夫婦どちらかが39歳以下の世帯などを対象にしたのが「子育てエコホーム支援事業」。

「高い省エネ性能を有する新築住宅を取得した場合、最大100万円の支援があります」

リフォームする場合は、節水型トイレや高断熱浴槽などの導入費用が補助の対象となる。

前記3つの補助金申請は、いずれも工事を請け負う登録業者を通じて申請する流れなので、工事前にチェックしよう。

■スズメバチの巣の駆除にも補助金が出る!

各自治体では、さらに細かい支援も用意されている。

「エコ支援に関しては、環境相も務めた小池百合子東京都知事が力を入れているようです。『東京ゼロエミポイント』では、省エネ性が優れた家電の買い替えを、商品券などで支援してもらえます」

たとえば対象のエアコンを購入した際、機種によって8千~2万2千円分の商品券+千円分のLED割引券が、冷蔵庫の場合は機種により1万3千~2万5千円分の商品券+千円分のLED割引券、LED照明器具の購入で4千円分の商品券が貰える。

埼玉県戸田市では、地球環境対策の推進に寄与することを目的に、環境配慮型システム等設置費補助金制度がある。

「太陽光発電システムや給湯器の導入が対象ですが、宅配ボックスも1台あたり3万円の補助金が出ます。宅配サービスを利用する際、不在であればドライバーが何度も配達することになり、CO2の排出量が増えるため、置き配を促進したい狙いがあるのでしょう」

緑豊かな庭にしたいというのなら、生け垣緑化助成を検討したい。

「ヒートアイランド現象の抑制や地震発生時のブロック塀倒壊防止のための助成金といえます」

既存のブロック塀を撤去する際、たとえば1mあたり6千円、生け垣を造成する際は1mあたり1万5千円の助成金(経費の3分の2かつ限度額50万円)が出る自治体も。

「申請担当窓口は各自治体になりますが、それぞれサービス内容が異なり、サービスそのものがないケースもあるので、事前に調べておくことをお勧めします」

エコのため生ごみを出したくない人は、生ごみ処理機助成金を利用したい。

「15年ほど前から各自治体で始められたサービスです。非常に人気が高く、毎年、続けている自治体も多いです。

微生物を不活性化する乾燥式、有機肥料を作るバイオ式、その両方の機能を持ったハイブリッド式などがあり、助成金は購入金額の2分の1、上限3万円など、自治体によって異なります」

最後に変わり種としてお金が貰えるのは、害虫駆除費用だ。

「千葉県成田市では、スズメバチの巣の駆除に要した費用の2分の1(上限5万円)を補助してくれます」

エコに関心が高い人は、上記のサービスを検討しておこう。

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