伝統グルメで地元経済に新たな活力 中国内モンゴル自治区ウランチャブ市

伝統グルメで地元経済に新たな活力 中国内モンゴル自治区ウランチャブ市

焼きたての「豊鎮月餅」。(2023年9月29日撮影、フフホト=新華社配信)

  【新華社フフホト5月10日】中国内モンゴル自治区烏蘭察布(ウランチャブ)市の街角では休日になると、昔ながらの「点心(軽食)」を扱う店が大勢の客でにぎわう。店の売れ筋商品「豊鎮月餅」は中にあんがない月餅で、同市が管轄する県級市(市の下にある県と同格の市)の豊鎮市が発祥地であることからその名が付いた。小麦粉、ごま油、砂糖、蜂蜜などを混ぜて焼く製法技術は、2009年に同自治区の無形文化遺産リストに登録された。

 ここ数年、豊鎮市は月餅産業を地元の人々を豊かにし、企業の競争力を強くする主力産業と位置付け、産業発展をサポートするためのさまざまな措置を講じている。14年には豊鎮市食品産業パークを建設し、月餅の製造企業と関連産業チェーン企業20社余りを誘致した。

伝統グルメで地元経済に新たな活力 中国内モンゴル自治区ウランチャブ市

「卓資熏鶏」の製法技術を披露する無形文化遺産の伝承人。(2023年6月22日撮影、フフホト=新華社配信)

 豊鎮市月餅協会の統計データによると、市内には中規模以上の月餅製造・販売企業が14社あり、年間販売数は1億5千~2億個で、年間売上高は5億元(1元=約22円)に達する。

 烏蘭察布市のもう一つの無形文化遺産プロジェクト「卓資薫鶏(卓資県伝統の薫製鶏肉の煮込み料理)」も新たな発展の道を開拓した。

 「卓資薫鶏」の製法技術は数百年の歴史があり、地元の鶏肉を原料として20以上の工程を経て丁寧に作られる。16年には同自治区の無形文化遺産リストへの申請に成功した。

 同県は23年、薫鹵(くんろ、薫製肉の煮込み)食品の産業パークを建設し、食肉加工、販売を統合した現代的な生産・加工産業チェーンを構築した。稼働後の生産量は現在の400万匹から1300万匹以上に増加し、年間生産高は5億元を上回ると見込んでいる。(記者/哈麗娜)

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