米マスターカードの中国合弁、銀行カード決済業務を開始

米マスターカードの中国合弁、銀行カード決済業務を開始

中国工商銀行が発行した新しいマスターカードブランドの銀行カード。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京5月10日】米クレジットカード大手マスターカードと中国のオンライン決済システム「網聯」を運営する網聯清算(ネッツユニオン・クリアリング)の合弁会社、万事網聯信息技術(北京)は9日、中国本土で銀行カード決済業務を始めると発表した。加盟機関と連携して本土内外で使えるマスターカードブランドの銀行カードを発行し、アクワイアリング業務を拡大する。

 万事網聯の董事長を務める凌海(りょう・かい)マスターカード国際部門総裁は、中国市場への本格的な進出に伴い、各界のパートナーと手を携えて、全国各地に取扱拠点を数百万カ所増やすと説明した。同社は昨年11月に銀行カード決済業務の許可を取得している。

 銀行10数行が同日、30余りの新しい「中国万事達」銀行カードを発売した。万事網聯は各アクワイアリング銀行、決済機関と協力して中国本土でネットワークの整備を進め、カード保有者に本土内外を問わず迅速かつ安全な決済体験を提供する。

 中国の証券会社、中銀国際証券の管濤(かん・とう)グローバル・チーフエコノミストは、万事網聯が銀行カード決済業務を始めたことで、本土の消費者に多層的で差別化された決済サービスが提供されるようになると指摘。中国金融業を国際基準にさらに合致させ、業界の公正な競争を促し、本土金融機関の市場化、国際化レベルの向上に寄与するとの見解を示した。

 万事網聯の鄭笑非(てい・しょうひ)最高経営責任者(CEO)は、関係各方面と共にカードエコシステム構築の強化などで協力し、多層的で多元的な決済サービスシステムの整備に力を尽くしたいと語った。

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