今週は東京競馬場でヴィクトリアマイル(芝1600m)が行われる。過去にはウオッカ、ブエナビスタ、アーモンドアイ、グランアレグリアと稀代の名牝が制してきた一戦。今年も楽しみなメンバーが集結した。
ここでは、過去10年からフィアスプライドとマスクトディーヴァにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■フィアスプライドに「3.1.1.2」のジョーカー登場
6歳にして初のGIに挑むフィアスプライド。全姉にGI3着馬ソフトフルートがいる良血馬だが、本馬は条件戦から叩き上げでGI戦線までたどり着いた。主な勝ち鞍が牝馬限定戦のハンデGIIIという現状から苦戦は必至なのでは……そんな声を払拭するデータがこちら。
・ルメール騎手の継続騎乗馬【3.1.1.2】
7頭中5頭が馬券内と、この条件での馬券内率は71%。アーモンドアイやグランアレグリアといった怪物級のみならず、6番人気1着アドマイヤリードなど配当妙味も期待できるデータとなっている。東京マイルで施行される本レースにおけるC.ルメールはまさに“ジョーカー”のような存在だ。
フィアスプライドについて補足すると、距離短縮ローテの成績は【2.1.0.1】とこちらも馬券内率70%超え。前走中山牝馬Sは1600→1800mの距離延長ローテが堪えたのだろう。本レースと好相性の騎手が継続騎乗で臨む今回、配当妙味を押し上げる存在として注目したい。
■マスクトディーヴァに立ちはだかる【0.1.0.9】
フィアスプライドとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがマスクトディーヴァだ。前走阪神牝馬Sで重賞2勝目をマーク。良績に乏しい距離を克服したことで、一躍主役候補に名乗りを上げた。鞍上のJ.モレイラを背に臨む点も含めて上位人気が濃厚の1頭だが、今回はデータ面でのマイナス材料が浮上してしまう。
・前走阪神牝馬S勝ち馬【0.1.0.9】
勝ち馬ゼロの“0%データ”に抵触。当日1番人気の支持を受けていたスマートレイアー、ミッキークイーンなど有力馬が多数出走したなかで未勝利はいただけない。過去10年のヴィクトリアマイル×前走阪神牝馬S勝ち馬は“相性最悪”と言える組み合わせだ。
2走前の東京新聞杯は6着と当舞台で掲示板外。当時は出遅れ+イン有利馬場が影響した点もあるが、後者の馬場コンディションはBコース替わりで出現する可能性は十分だ。ローズS、秋華賞で示したパフォーマンスからベスト条件が芝中距離であることは事実。想定1番人気のナミュールを超える着順を目指すうえでのハードルは高い。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。