夫婦でお金の管理する方法は?夫婦で決めておきたいお金のルール

夫婦でお金の管理方法について話し合う機会もあるでしょう。「夫婦で家計ルールを決めておきたい」「夫婦で円満にお金の管理をしたい」「お金の管理はパートナーに任せっきりになっている」という人もいるでしょう。

夫婦でお金の管理をする際は、家計を「見える化」したり、共有口座を作ったりするなどコツがあります。

この記事では、効果的な夫婦でのお金の管理方法について解説しています。

この記事でわかること

  • 夫婦で円満にお金を管理するコツ
  • 結婚後、お金がないときの対処法
  • 家計についての相談先

みんなはどうしてる?夫婦の家計管理の傾向

株式会社スマートバンク「世代別の夫婦の家計管理に関する調査」によると、家計管理は「妻が中心」となっている夫婦が48.3%と約半数を占め、年代が上がるほど、この傾向が顕著に現れています。「夫婦共同」は30.2%、「夫が中心」は21.6%です。

しかし、「家計が心配」と回答している割合は「妻が中心・夫が無関心の夫婦」よりも、「夫婦共同で家計管理をする夫婦」の方が低くなっています。

また家計簿をつけて管理している世帯は全体の54.2%と半数以上で、若い世代ほど家計簿を付けている割合が高い傾向があります。

共働き夫婦のお金管理のパターンは5種類

同調査によると、共働き夫婦のお金管理のパターンは、以下に分けられます。

  • 一体型(3%):夫婦の全収入を持ち寄って家族のお金とする
  • 拠出型(0%):夫婦ともに一部の収入を持ち寄って家族のお金とする
  • 支出分担型(4%):支出項目ごとに夫婦で分担する
  • 扶養型(1%):夫婦どちらかが生活費をすべて負担する
  • 精算型(4%):夫婦各自が支払いをし、不公平が生じないように精算する

また一体型と拠出型をあわせて「収入持ち寄りタイプ」、支出分担型と精算型をあわせて「夫婦別財布タイプ」、扶養型を「片方負担タイプ」に分類して家庭の暮らし向きを聞いたところ、収入持ち寄りタイプが最も「家計が心配」と回答する割合が低いという結果になりました。

夫婦で円満にお金管理ができる方法は?

また夫婦別財布タイプや、片方負担タイプよりも、収入持ち寄りタイプの方が、夫婦関係に満足していると回答している割合が高くなっています。

ここまで紹介したデータから、最も夫婦で円満にお金管理ができる方法は、夫婦が協力して行い、なおかつ収入持ち寄りタイプ(一体型・拠出型)であることがわかります。

そこで、ここからは夫婦が協力してお金を管理する方法について解説します。

夫婦が協力してお金を管理する方法

夫婦が協力してお金を管理する方法は、以下の通りです。

  • 家計を見える化する
  • 共有口座を作る
  • 目的に応じて口座を分ける

家計を見える化する

家計を見える化して、夫婦共同で家計管理をする方法です。お互いが「いつ・何に・いくら使ったか」といった情報を共有するため、支出について夫婦で相談する機会が増え、支出が抑えられます。結果的にお金貯まりやすくなるでしょう。

1つの家計簿に夫婦それぞれが収入や支出を付けていく方法でも、家計の見える化はできますが、家計簿の共有ができるアプリを活用するとさらに便利です。

また、クレジットカードの家族カードを利用する方法もあります。例えば妻が本カード会員、夫が家族カード会員だったとします。仮に夫が家族カードで買い物をすると、利用履歴は本カード会員である妻のカード利用明細に記載されます。そのため支払い方法を夫婦いずれもクレジットカード決済にして、本カードの利用明細を夫婦で共有すれば、家計の見える化が行えます。

共有口座を作る

夫婦の共有口座を作り、そこにお互いの収入から生活費を入れて管理する方法です。「収入の5割を共有口座に入れる」などルールを決めておけば不公平感が生じにくく、生活に変化が生じてどちらかの収入が減少したときも、すぐに見直しができます。

ただし、口座は夫婦どちらかの名義でしか作れません。仮に共有口座の名義人になっている夫に万が一のことがあると、口座が凍結され、すぐにお金が引き出せなくなる可能性があります。

万が一のときに備えて、妻名義の口座にも数ヵ月分の生活費を入れておくなど、対策も立てておきましょう。

目的に応じて口座を分ける

老後資金、教育資金、住宅購入資金など、目的に合わせて口座を分ける方法です。

例えば、以下のように資金が必要になる時期なども考慮して、口座を使い分けてもよいでしょう。

  • 老後資金:税制優遇を受けながら長期運用ができるiDeCo
  • 教育資金:必要になる時期に合わせて設定した預入期間の定期預金
  • 住宅購入資金:良い物件が見つかったらすぐに引き出せる普通預金口座

夫婦で決めておきたいお金のルール

夫婦でお金を管理する際は、共通ルールを決めることが重要です。このルールは一方的に決めるのではなく、おふたりがお互いに納得できるもの、無理なく続けていけるものでなくてはいけません。

夫婦で協力しながら円満にお金を管理するためのルールは、以下の通りです。

  • 無理のない貯金額を設定する
  • 目標の達成状況を把握する
  • 反省点や改善点を話し合う
  • 自由に使えるお金も残しておく
  • 夫婦でお金に関して話し合っておく

無理のない貯金額を設定する

夫婦で円満に家計管理するには、無理のない貯金額を設定することが大切です。無理な貯金額を設定すると、家族の楽しみが減ってしまったり、ストレスが貯まったりして、途中で挫折する可能性があります。

貯金額は、必要なお金を積み立てる月数で割って計算します。例えば普通預金で10年後に300万円用意したいのであれば、「300万円÷120ヵ月=毎月2万5000円」の貯金が必要です。

仮に月2万5000円の貯金が難しい場合は、少額でも継続して、段階的に金額を増やしていくだけでも十分な貯金額になります。

目標の達成状況を把握する

必要な時期が近づいているので通帳を確認してみたら、まったく貯金が貯まっていないという状況では意味がありません。定期的に達成状況を把握しておきましょう。

目標通りに貯金ができていない場合でも、定期的に確認して早い段階で対策を考えれば、すぐに立て直しができます。

反省点や改善点を話し合う

思ったように貯金ができていないときは、夫婦どちらかが我慢することがないよう、反省点や改善点を話し合うことが大切です。

反省点を洗い出し、貯金計画の見直しが必要か、収入を増やす方法はないかなど改善点を夫婦で検討しましょう。

自由に使えるお金も残しておく

貯金をしている期間中、冠婚葬祭や医療費など急にお金が必要になることもあるかもしれません。しかし、こうした急な支出をカバーするために貯金を引き出してしまうと、それ以降、歯止めが効かなくなる可能性があります。

急な支出が生じても貯金を取り崩してしまわないよう、ある程度は自由に使えるお金も残しておきましょう。

夫婦でお金に関して話し合っておく

夫婦で上手く家計管理をしていくためには、家計の現状やお互いの夢や目標などを共有することが大切です。そのためにも、夫婦でお金に関する話し合いの機会を持つことをおすすめします。

夫婦で話し合っておきたい項目は、以下の通りです。

  • 現在の収入
  • 現在の貯蓄額
  • 現在の負債
  • 理想のライフプラン
  • 目標にする貯蓄額

共働き夫婦であれば、お互いの収入を明らかにしておきたいところです。世帯収入がわかれば、生活費として使える金額や毎月の貯蓄可能額が見えてきます。

ローンを抱えていたり、奨学金の返済が残っていたりする場合は、相手にも報告しておくことが大切です。

夫婦で共通認識として持っておきたいのが、理想のライフプランです。将来はどんな暮らしがしたいのか、仕事は続けていくのか、それとも転職や起業をしたいのかなど、お互いの理想の暮らしや働き方について話し合っておきましょう。理想のライフプランがはっきりすると、目標とするべき貯蓄額が見えてきます。

ライフプランにかかわるお金については、こちらの記事ライフプラン表はライフイベントを把握して立てよう!でも解説しているので、参考にしてください。

結婚後お金がないときにすべきこと

長く結婚生活を送っていれば、お金がない時期を経験するかもしれません。結婚後にお金がないときは、以下のことを実践してみましょう。

  • ライフプランについて話し合う
  • 家計を徹底的に見直す
  • 先取り貯金をする

ライフプランについて話し合う

お金がない時期は、「子どもを持つことが難しいのではないか?」「老後資金は準備できるのか?」など、ネガティブな思考に至りがちです。そのようなときこそ、お互いのライフプランについて話し合うことが大切です。

お互いのライフプランをすり合わせて、人生でお金がかかる時期を明確にしておくと、その時期までにいくら貯金を用意しておけばよいのかが見通せるようになります。漠然としたお金の不安から解放されるでしょう。

家計を徹底的に見直す

お金がないのは、単純に家計の見直し方が甘いことが原因かもしれないため、いま一度、家計を徹底的に見直してみましょう。

家計は大きく固定費と変動費に分けられます。

固定費の見直し

固定費とは保険料やスマートフォンの通信料、水道・光熱費のように毎月支払いがあり、なおかつ支払額がある程度決まっている(固定されている)費用のことです。

固定費の見直しは手続きが必要なケースが多く、手間がかかります。しかし、いったん見直しをすれば、それ以降見直し効果が継続するのでおすすめです。

変動費の見直し

変動費とは食費や被服費(洋服代)、日用品費など、毎月の支払額が変動する支出のことです。

変動費も、より安いものを購入する、外食を減らしてお弁当にするなどの方法で見直しができます。

しかし、より安く買えるお店を探し回ったりする必要があり、労力の割に見直し効果が低い傾向があります。

先取り貯金をする

お金がなくて貯金ができないときは、積立預金(貯金)などを活用した「先取り貯金」がおすすめです。先取り貯金とは、毎月の収入からまず必要な貯金額を引いて、残った金額でやりくりをする貯金方法です。

一般的には、毎月の収入から生活費や日用品費、趣味や娯楽といった支出を一通り使って、残った金額を貯金に回します。しかし先取り貯金は、まず収入から必要な貯金額を引く点が異なります。

積立貯金などで自動的に口座から引き落とされるような仕組みづくりができると、よりお金が貯まりやすくなります。

先取り貯金の具体的なやり方は、先取り貯金を成功に導くやり方で解説しています。

家計の相談は幅広く対応できるFPがおすすめ

夫婦で家計管理をしても、お金の不安がなくならない、お金が貯まらないという人は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。FPは家計の見直しや、効率的な貯金方法など、お金に関するあらゆる知識に精通した専門家です。

FP相談を検討している人は、以下の記事も参考にしてください。
FP相談おすすめ一覧!お金の相談ができるサービスを無料・有料別に紹介

この記事では、以下の内容を紹介しています。

  • 無料相談と有料相談の違い
  • おすすめのFP相談サービス
  • FP相談を受ける際の注意点

FP相談を利用することで、夫婦で円満にお金を管理する方法について、適切なアドバイスを受けられるでしょう。この記事を参考に、自分に合ったFP相談サービスを見つけてください。

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まとめ

夫婦の場合、家計管理は夫婦で協力して行なうのが理想的です。夫婦が協力してお金を管理する方法としては、家計を見える化する、共有口座を作る、目的に応じて口座を分けるといった方法があります。

以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
夫婦の共通口座でおすすめの銀行は?共通口座を作るときの注意点

また夫婦で家計管理をすると、優先順位や考え方の違いから夫婦間でトラブルが生じる可能性があります。無理のない貯金額を設定し、目標の達成状況を確認したうえで、反省点や改善点を話し合うことで円満に解決できるでしょう。

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