「タンタン、お疲れ様。ありがとう」 “神戸のお嬢様”王子動物園のアイドルパンダ追悼式

タンタンのファンや飼育員らが集まり、花を手向けた追悼式=10日午後、神戸市灘区王子町3

 神戸市立王子動物園(神戸市灘区)のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」の追悼式が10日、同園で開かれた。「お疲れさま、ありがとう」。ファンや園職員、日中の関係者ら計約160人が集い、24年近くを神戸で過ごした白黒のアイドルに感謝を伝えた。

 2000年7月、日中共同の飼育繁殖研究を目的に中国からやって来たタンタン。追悼式ではこれまでの歩みを振り返るメモリアルムービーが放映され、竹を頰張ったり、寝転がったりする映像に参列者が見入った。

 タンタンは21年に心疾患が判明。懸命な治療が続けられたが、今年3月31日に息を引き取った。最期まで寄り添った飼育員の梅元良次さん(42)は「もうあなたに大好きな竹を選んであげられないのは寂しい。本当によく頑張ってくれたね。お疲れさま、ありがとう」と声をかけた。

 同じく飼育員の吉田憲一さん(55)も「これからは空の上から見ていてください。でもたまにはどんな形でもいいから、会いに来てくれたらうれしいです」と声を震わせながら言葉を贈った。

 壇上にはヒマワリなどの花と共に、愛らしい表情を見せるタンタンの写真が飾られた。参列者は白い花を1本ずつ手向け、写真の前でじっと手を合わせた。

 式の様子は同園が公式ホームページ内に設けた特設サイトでライブ配信された。サイトではタンタンの生前の写真なども紹介し、思い出を共有する。(井沢泰斗)

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