大ナマズの手水舎完成 福島市小田の鹿島神社 福島県沖地震経て復活

手水舎の前で執り行われた流水式

 福島県福島市小田の鹿島神社の新しい手水舎(てみずや)が完成した。奉告祭と流水式が6日、同神社で行われ、関係者が完成を祝った。

 手水舎は1982(昭和57)年に建立された。井戸水を用い、参拝者や地域住民らに親しまれていたが、2020(令和2)、2021年の福島県沖地震で水脈が変わり、2022年から渇水状態になっていた。

 参拝者からの復活が望まれた。2022年夏ごろ協力を呼びかけ、地区内外から浄財が寄せられた。同神社御祭神の武甕槌大神(たけみかづちおおかみ)の縁故ある大ナマズをかたどった石の口元から水が出る仕組みで、流水で手などを清められるようにした。水道水を利用し、人感センサー付きで節水にも気を配った。市内の上信設備とサンパチ石材が工事を請け負った。

 6日は総代、地区住民ら約50人が参列。改修工事竣工(しゅんこう)に伴う奉告祭の後、手水舎の前で行われた流水式では、丹治政文宮司が神事を執り行った。渡辺惣一総代表は「大ナマズの手水口は珍しいという。多くの人に親しまれる観光名所になってほしい」と語った。

(県北版)

大ナマズの口元からの流水で手を清める参加者

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