【ヴィクトリアマイル/追い切り診断】最高評価「S」はナミュールかマスクトディーヴァか 自然体で自己ベストに「充実一途」の感

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第19回ヴィクトリアマイル(12日/GI、東京芝1600m)には、昨年のマイルCS勝ち馬でドバイターフ2着ナミュール、阪神牝馬Sの勝ち馬マスクトディーヴァ、同2着ウンブライル、同3着モリアーナ、2022年の秋華賞勝ち馬スタニングローズらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「マスクトディーヴァ」を取り上げる。

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■マスクトディーヴァ

【中間調整】重賞初挑戦だったローズSをJRAレコードで勝利。続く秋華賞はリバティアイランドの品番三冠阻止とならなかったが、最速の末脚を繰り出し2着に入った。3着馬には2馬身半と決定的な差をつけており、負けて強しの一戦だったと言っていい。明けて2024年は上半期の最大目標をヴィクトリアマイルとし東京新聞杯から始動。この一戦は枠内突進から大出遅れで1番人気を裏切る6着に終わってしまったが、続く前走・阪神牝馬Sでは好スタートから正攻法で抜け出し、前哨戦をモノにしている。

山元トレセンでの短期放牧を経て4月20日に栗東へ帰厩。24日の初時計で坂路2Fラップ13秒5-12秒7(馬なり)と軽快にギアを上げており、放牧で緩んだ雰囲気は一切感じられない。5月1日の1週前追いはCWで2頭を大きく先に行かせて追走する意欲的な内容だったが、絶好の手応えを保ったまま豪快に伸びそれぞれと併入とした。

【最終追い切り】レース当週はルーティン通り坂路で単走。輸送を考慮し馬なりの調整ながら、高いモチベーションを感じさせるように序盤からキビキビとした動きでスピードに乗っていき、ラストも軽い扶助だけで12秒8-12秒1という加速ラップで締めくくれていた。

【見解】1週前のCW5F66秒9(馬なり)、最終追いの坂路4F52秒9(馬なり)ともに自己ベストを更新する数字。いずれもシャカリキになって出した時計ではなく、馬自身のリズムに合わせて自然と出たもの。まさに充実一途の感がある。「4歳世代は弱い……」との逆風も吹くが、それを跳ねのける走りに期待していい。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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