【ヴィクトリアマイル/追い切り診断】復調気配の4歳牝馬に辛口評価「B」 反応がチグハグで精神的に「大きなブレ」がある

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第19回ヴィクトリアマイル(12日/GI、東京芝1600m)には、昨年のマイルCS勝ち馬でドバイターフ2着ナミュール、阪神牝馬Sの勝ち馬マスクトディーヴァ、同2着ウンブライル、同3着モリアーナ、2022年の秋華賞勝ち馬スタニングローズらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ドゥアイズ」を取り上げる。

◆【ヴィクトリアマイル2024予想/追い切り診断】最高評価「S」はナミュールかマスクトディーヴァか 自然体で自己ベストに「充実一途」の感

■ドゥアイズ

【中間調整】札幌2歳Sで2着、阪神JFで3着と早くから頭角を現していた素質馬。勝ち切れないもどかしさも同居していたが、古馬との初対戦だった昨年12月のリゲルSで2着に入ると、明けて今年2月の洛陽Sで新馬戦以来の勝利を挙げた。そして出遅れかつ前が止まらない展開の不利もあった前走・阪神牝馬Sで0秒4差5着。秋華賞以降はヴィクトリアマイルに照準を絞ってマイル戦にこだわって使われており、実際に安定感ある走りを見せている。

前走後は短期放牧を挟んで4月23日に帰厩。予定通り目標の一戦に向けて調整が進んでいる。28日にCWで70-40を消化したのが中間の初時計。1週前追いは本番で騎乗する鮫島駿騎手が跨り、CW単走で追われている。序盤はまずまず落ち着いてはいたものの、直線ではどうにもズブく鞍上がグイグイ仕掛けてなんとか伸びるという内容だった。

【最終追い切り】レース当週はいつもの調整パートナーである加藤騎手が騎乗し、CW単走。この日は1週前と異なり序盤にやや行きたがる面が目立った。そして1週前よりはだいぶ素軽くはなっていたものの、仕掛けへの反応はワンテンポ遅れてジワッと伸びた程度。力強さはあったが、やや物足りない内容となっている。

【見解】そこまで派手に動くタイプではないが、ここ最近の攻めでは素軽く軽快に反応できてはいた。しかしこの中間は反応のチグハグさが目立ち、健康面はともかく精神的なブレが大きそう。近3走マイルで崩れていないが中7週、中8週、中7週とある程度間隔を取ったローテ。今回の中4週というのはこの馬にとってタイトな間隔で、それがどこか煮詰まったような雰囲気の要因かも。桜花賞から中5週で臨んだオークスも距離以前にレース前の時点でイレ込んでおり、好走うんぬんは望めない態勢だった。今回はちょっと疑っておきたい存在だ。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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