八十二銀、「国内基準行」への転換求める株主提案に反対

Shinichi Uchida

[東京 10日 ロイター] - 長野県地盤の大手地銀、八十二銀行は10日、海外営業拠点を持つ「国際統一基準行」から「国内基準行」に転換するよう求めた株主提案に反対すると発表した。6月開催予定の株主総会に向け、LIMジャパン・イベント・マスター・ファンドが政策保有株売却や自己株取得などの議題とともに提案していた。

LIMは、八十二銀の株価純資産倍率(PBR)1倍割れが継続していることを問題視し、達成すべき自己資本比率が4%以上となる国内基準行への転換はPBRの改善に資すると主張。海外融資残高が全資産に占める比率も低く、海外に営業拠点を置く根拠に乏しいと訴えた。

これに対し、八十二銀は国際統一基準行としての情報力やノウハウは収益に貢献しており、議案内容を実施した場合は取引先の海外業務支援が困難になると指摘した。国際統一基準行であることはPBRの低迷につながるものではないとの見解も示した。

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