水原一平氏の違法賭博騒動がドラマ化へ…「カイジ超え」で“納得”の声多数

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平の専属通訳だった水原一平被告による「違法賭博騒動」が、アメリカでドラマ化されると現地の複数のメディアで報じられた。驚きの声が上がる一方、ネット上では「ドラマ化されるのも納得」「大谷に負けないくらい水原氏の人生も漫画」といった指摘も寄せられている。

水原氏は2021年から違法賭博に手を染め、莫大な借金を返済するために大谷の口座から多額の金を盗み、胴元側へ送金したとされる。当初の被害額は「少なくとも450万ドル(約7億円)」とされていたが、今月8日に発表された司法取引の合意書では実際の被害額が「1697万5010ドル(約26億3000万円)」だと詳細に明記された。被害額は当初の想定の4倍近くとなり、このほかにも虚偽の納税申告書を提出し、410万ドル(約6億3500万円)の所得申告漏れがあったことが発覚するなど騒動は拡大を続けている。

一連の騒動によって、水原氏は銀行詐欺罪と納税詐欺罪の2つの罪に問われている。銀行詐欺罪は最長で禁錮30年、納税詐欺は最長で禁錮3年となるため、両罪での最高刑は「懲役33年」。ただ、水原氏は司法取引に合意して罪を認めていることから「懲役8~12年くらいに減免されるだろう」との見方が強まっている。

そんな中、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」など複数の米メディアが違法賭博騒動のドラマ化が進んでいると報道。水原被告が違法賭博の借金を返済するために大谷の口座に手をつけ、事件が発覚し、裁判にかけられるまでをドラマ化するという。

『ラ・ラ・ランド』『ハンガーゲーム』『ソウ』などのヒット作を手がけてきた米大手映画会社「ライオンズゲート」のテレビ部門が制作を担当し、全米最高峰の演劇賞「トニー賞」の常連であるスコット・デルマン氏とスポーツジャーナリストのアルバート・チェン氏がプロデューサーを務めるとのこと。公開時期やプラットフォーム、キャストなどは現時点で不明だが、かなり具体的な情報が伝えられていることから実現の可能性は高い。

チェン氏は「これはピート・ローズ以来、メジャーリーグ野球最大のスポーツ賭博スキャンダルであり、その中心にいるのは、大リーグが高い希望を抱く最大のスター選手。私たちは信頼、裏切り、そして富と名声における罠の物語の核心に迫ります」と意気込んでいる。

実際、水原氏の騒動は以前から「映画や漫画みたい」と指摘する声が絶えなかった。米球界のスーパースターが最も信頼していた男が実はギャンブル依存症の裏切り者で、表ではベストパートナーを装いながら裏では莫大な金を盗み、皆がうらやむ「世界の大谷の専属通訳」から「稀代の詐欺師」に転落してしまったのだから、まさに事実は小説より奇なりだ。

日本のSNSでは、人気ギャンブル漫画『カイジ』シリーズと比較する意見も多い。現在『カイジ』は主人公を含めた仲間3人でギャンブルで勝ち取った24億円を持ち、宿敵「帝愛グループ」から逃げるというストーリーが展開されているが、水原氏は一人で大谷から26億円超を盗み取った。

さらに、水原氏は2021年~2024年までに違法なスポーツ賭博を約1万9000回にわたって行い、勝った総額は1億4225万6769ドル(約218億円=レートは発覚当時)、負けた総額は1億8293万5206ドル(約280億)で、差し引きの合計損失額は4067万8436ドル(約62億円)にのぼった。『カイジ』の劇中ですらこれほどの大損は描かれておらず、ネット上では「もうカイジのスケール軽く超えてる」「カイジとか見ても、金額に驚けなくなっちゃった」といった声が上がっている。

大谷の大活躍を受けて、日本の漫画家たちから「これ以上のヒーローを創作でどう描けばいいのか」「野球漫画を描いている現場は絶望しています」といった悲鳴が上がったことがあったが、水原氏も違った意味で今後のギャンブル漫画の描写を難しくさせてしまうかもしれない。それほどの騒動なのだから、ドラマ化されるのも納得という見方があるようだ。

過去に類を見ないような今回の騒動がドラマでどう描かれるのか、大谷役のキャストなども含めて大きな注目を集めそうだ。

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