当局調査の金融機関名、調査終了前の公表を英中銀総裁が支持

David Milliken Huw Jones

[ロンドン 9日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、金融規制当局による金融機関調査について、消費者保護の観点から必要であれば、調査終了前に金融機関名を公表できるようにすべきとの見解を示した。

英金融行動監視機構(FCA)は現在、調査が終わってから企業名を公表しているが、公共の利益にかなう場合は早い段階で明らかにすることを提案している。

FCAは抑止力の向上につながるとしているが、無実の企業に汚名を着せる恐れがあるとして金融界や財務省などから反対が巻き起こった。

調査は数カ月から数年に及ぶこともあるため、企業は無実であることが判明しても株価や評価が下がる恐れがあるとしている。

中銀総裁就任前にFCAのトップだったベイリー氏は、調査を受けていることを知らなければ、消費者は損害を被る可能性があることをFCAでの経験から学んだと述べた。

「調査は時間がかかるものであり、調査の進行中に何も明らかにされなければ、消費者に対する不当販売が続けられるリスクは明らかだ」と指摘した。

金融機関の利益と消費者の利益を比較検討し、相反する2つの原則をどのように調和させられるか考えるべきと述べた。

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