関西方面から参加…調理や美容の専門学生が輪島市でボランティア 学んだ技術で多くの被災者を元気づける

調理や美容を学ぶ専門学校の生徒たちが輪島市をボランティアに訪れ、授業で学んだ料理やマッサージを実践しました。

10日朝、輪島中学校を訪れたのは、全国に調理や美容の専門学校を展開する三幸学園の生徒たち。

関西方面の学校から33人が参加しました。

今も150人が避難している輪島中学校。

美容を学ぶ生徒たちは、被災者にオイルを使ったハンドマッサージで安らぎのひとときを提供しました。

普段とは違う環境での実践が、生徒たちの学びになった一方で、こうした取り組みは、避難者の心のケアにもつながると話します。

企画した笠原美聡さんは「被災者の現実が見えてきたときに取り残されたような気持ちだったり、これからどうしようという気持ちを持つ方が多いのではと思っているので、一回だけでは何ができるかというのは考えるところもあるが、少しでも何か時間を共有することができたらいいなと思っています」と話す。

一方、調理や栄養を学ぶ生徒たちは、200食分の食事を準備。

調理は輪島中学校の施設で行いましたが、蛇口から出る水は飲み水として使えないため持参した水を使用。

コンロも壊れているため持参したガスコンロを使いました。

調理部門の引率をした佐藤俊介さんは「金沢市内に卒業生のお店が複数あり、卒業生オーナーが非常に協力的で食材の提供や機材の提供をいただいて、なんとか今回成し遂げられた被災者の心とお腹を満たしたい。笑顔を届けたい学生自身もそういった思いが強い生徒が今回集まっているので、制約があるからこそ何かできるのではという生徒の発案から始まっている」と話した。

提供したメニューは被災者に喜んでもらいたいと生徒たちが試行錯誤。

当初はカレーうどんとおにぎりだけの予定でしたが、大阪の味を感じてもらうためたこ焼き入りのカレーうどんに変更。

さらに彩りも鮮やかなサラダなども追加しました。

輪島中学校の卒業生で今回のボランティアを志願した沖崎好美さん。

別の避難所にいる家族も駆けつけ沖崎さんが調理した炊き出しを味わいました。

沖崎さんの姉は「嬉しいです。きょうは顔を見るだけと思ったら食事も…美味しいです」と、沖崎さんの父は「初めてこういう姿を見たので成長したなと思います」と話した。

沖崎さんは「家族に会いたかったので嬉しい美味しく食べてもらいたいという気持ちで飾りました」と話す。

午後には輪島中学の3年生にケーキのデコレーションやハンドマッサージの体験授業も行った生徒たち。

被災地に若い力で顔を届けていました。

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