町職員が公金3780万円着服「ギャンブルに使った」 架空伝票や不正引き出し…5年半で301回繰り返す 知名町

職員の着服を謝罪する今井力夫町長ら=10日、知名町のおきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちな

 鹿児島県知名町は10日、障害者福祉関連の公文書を改ざんした上で公金約3780万円を着服したとして、男性主査(38)を懲戒免職処分にしたと発表した。4月26日付。2018~23年度の5年5カ月の間、301回にわたり着服を繰り返しており、町は刑事告訴する方針。

 町によると、職員は14年度から保健福祉課、21年度から子育て支援課に所属。障害児・者の福祉サービスや医療費助成金の会計処理で架空の伝票を作成し、引き出した現金を個人の口座に入金するなどした。伝票上は所属長らの決済を経ていたが、不在時に自分で押印したり、明細書を偽造したりしていた。町が管理する身体障害者協会など二つの外部団体の預金通帳からも現金を引き出した。

 今年2月下旬、係長が身に覚えのない伝票に気付き発覚した。町の調査に「ギャンブルに使った。島民を裏切ってしまい申し訳ない」と語り、弁済する意向を示しているという。

 今井力夫町長は「町民の信頼を損ね、重く受け止めている」と謝罪した。町長と副町長の処分は6月の町議会定例会に提案する見通し。町は再発防止のため、各課長の公印管理を見直すなどの取り組みを進めるとした。

〈関連〉職員による公金着服と懲戒免職処分を発表する今井力夫町長(中央)=10日、知名町のおきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちな

© 株式会社南日本新聞社