“核ごみ” 文献調査 隣県の玄海町受け入れ 松浦市長「強い憤り」知事も風評被害など懸念《長崎》

原発から出る「核のごみ」の最終処分場選定をめぐり、佐賀県の玄海町長は10日、第1段階となる「文献調査」を受け入れることを表明しました。

長崎県内にほど近い町での決断を受け、大石知事は風評被害などを懸念するコメントを出しています。

(玄海町 脇山伸太郎 町長)

「これまでの町議会でのご意見や議論、加えて国からの要請を熟考した結果、文献調査を受け入れる決断に至った」

九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町。

原発から出る高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定をめぐり、調査の第1段階である「文献調査」を受け入れるか議論が行われてきました。

先月、文献調査への応募を求める請願が町議会で採択され、今月1日には、経済産業省が脇山伸太郎町長に調査の実施を申し入れ。

脇山町長の判断に注目が集まっていましたが、10日、受け入れを表明しました。

(玄海町 脇山伸太郎 町長)

「玄海町での取り組みが、日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論をする一石になれという思い」

隣県での受け入れ表明に対し、大石知事は「本県の基幹産業である第1次産業に風評被害などの影響を及ぼす可能性がある」などと懸念を示した上で、「国の責任において、しっかりと対応していただきたい」とコメントしました。

また、鷹島が玄海原発から最短で8.3キロの距離に位置する松浦市の友田市長は「文献調査は市民に新たな負担を課せられることになりかねず、強い憤りを覚える」とし、「周辺自治体の同意が無いまま、調査を進めることがあってはならない」とコメントしています。

文献調査は、北海道の寿都町と神恵内村に続き玄海町が全国3例目で、原発が立地する自治体では初めてです。

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