三菱電機、月周回有人拠点「ゲートウェイ」向け宇宙用リチウムイオンバッテリーを受注

米国が主導する月面探査プログラム「アルテミス計画(Artemis Program)」では、「月探査協力に関する文部科学省と米航空宇宙局の共同宣言」に基づき、日本の貢献分野として、ゲートウェイ居住棟への機器(バッテリー等)の提供に向けた協力について合意されている。

三菱電機の宇宙用リチウムイオンバッテリーは、HTV-Xの開発・製造で培った有人安全要求を満足する高性能な機能を有しており、高度な技術と国内外の衛星向けに多くの納入実績を持ち、それら全てが正常に運用されていることで高い信頼性が評価され、今回の受注に至ったという。

アルテミス計画における三菱電機の宇宙用リチウムイオンバッテリーの受注は、居住・ロジスティクス拠点Habitation and Logistics Outpost(HALO)向け、国際居住棟International Habitation Module(I-Hab)向けに続いて3例目であり、これまで日本が担当した全ての宇宙用リチウムイオンバッテリーの製造を三菱電機が担当している。

また三菱電機は、Maxar Space Systemsから、同社が開発を担当するゲートウェイの電気・推進エレメントPower and Propulsion Element(PPE)向けにも、リチウムイオンバッテリーセルを受注し納入している。

三菱電機は今後も、長年培った宇宙用電源機器技術を最大限に活用し、アルテミス計画に貢献していくとしている。

宇宙用リチウムイオンバッテリーの特長

  • 1.ロケット打上げ環境や万が一の故障を想定した構造・設計により、宇宙空間で必要とされる耐性・機能を確保
  • 2.モジュール性を考慮した構造とすることで、拡張性を実現
  • 3.長期間の衛星運用を可能とする技術で高い信頼性を実現

今回受注したリチウムイオンバッテリーの概要

ゲートウェイ向けリチウムイオンバッテリー

三菱電機の宇宙事業について

三菱電機は、JAXAが推進する国内衛星開発プロジェクトの半数近くに主契約者として参画し、日本の宇宙開発におけるリーディングカンパニーの地位を築いてきた。

2024年1月20日に月面着陸した小型月着陸実証機Smart Lander for Investigating Moon(SLIM)の開発も担当し、その成果は月惑星探査の更なる進展に繋がると期待されている。

今後も三菱電機は保有する先端技術の更なる強化を図り、アルテミス計画等への参画を通じて、持続的な宇宙探査活動の確立や人類の活動領域の拡大等に貢献していくという。

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