12日の「母の日」に向け、熊本県内の百貨店や大型商業施設で商戦がピークを迎えている。今年のトレンドは「プチぜいたく品」。物価高による〝節約疲れ〟から、プレゼントには少し高価な物を選ぶ人が増えているといい、ブランド品やお出かけ用品の売れ行きが好調だ。
熊本市中央区の鶴屋百貨店は8日、日傘の特設コーナーを開設。今夏も昨年並みの猛暑を想定し、約500種類をそろえる。UVカット加工の晴雨兼用が主流で、軽くてかばんの中に入れやすい折り畳み式が人気だ。売れ筋は1万2千円前後。フリルのついたかわいらしいブランド品などが注目を集めていた。
東京に住む母親への贈り物を探していた熊本市北区の会社員の女性(40)は「プレゼントと一緒に感謝の気持ちを伝えたい」とほほ笑んだ。
同市西区の「アミュプラザくまもと」のアパレル店「OPAQUE.CLIP(オペークドットクリップ)」では、外出時に着る上下セットアップの洋服が売れている。
昨年はアクセサリーなど小物を選ぶ人が多かったが、コロナ禍が落ち着き外出機会が増えたことで、お出かけ用の服の需要が高まっているようだ。ブルーとオレンジが今年のトレンドカラーで、「夏らしい明るい色が人気」と西村里乃店長(30)。
嘉島町の「イオン熊本店」には、色とりどりの鉢植えの花が並ぶ。定番のカーネーションのほか、色の種類や品種が豊富で見た目も華やかなアジサイの人気が高まっている。価格は5千円前後と、2千円台が中心のカーネーションより高価だ。レストラン街もにぎわっており、吉田稔店長(62)は「贈り物に加え、食事を楽しむ家族も増えている」と話した。(岩崎皓太)