巨人・戸郷翔征投手(24)が10日のヤクルト戦(神宮)に先発し、7回1安打無失点の好投を見せて今季3勝目を挙げた。
粘り強い投球でツバメ打線の前に仁王立ちだ。初回は三者凡退に抑える好発進を見せたが、2、3回は走者を得点圏まで進めるピンチを招く。それでもコーナーを突く投球で得点は許さず、三塁を踏ませぬピッチングで2試合連続で勝利を飾った。
好投の裏には阿部監督からの〝金言″があった。2回二死から2者連続四球を与えるなどピンチを招いた場面だ。結果的にはゼロで抑えたが、ベンチに戻ると指揮官からこうアドバイスを受けた。
「『100%を求めすぎるな!』と。いい球がいっている時はいいですけど、悪い球がいっている時にすぐ切り替えられるようにという話はされました」(戸郷)
冷静さを取り戻した右腕は「そこがだいぶいいポイントというか、そこでいけたなと思います」と明かし、崩れそうなところから、すっかり立ち直ると快投を披露。「走っていた」と自身でも納得の真っすぐに加え、変化球も効果的に織り交ぜ、終わってみればヤクルト打線を7回まで113球、1安打に抑えてみせた。
前回3日の阪神戦(東京ドーム)では2本塁打を浴びるなど6回途中で降板したが「ちょっと戻ってきたかなとは思います」と状態を上昇気流に乗せた。指揮官の金言を胸に秘め、若きエースとしてさらに白星を量産するつもりだ。