熊本市交通局は8日、同市西区の上熊本電停付近で2日、市電の運転士が赤信号の確認を怠って発車し、誤った方向のレールに進入するミスがあったと発表した。乗客4人と乗員2人にけがはなく、遅延は発生しなかった。
熊本市電では今年に入り、走行中にドアが開くなど今回を含め計4件のトラブルが続いている。市交通局は5月中に設置する第三者委員会で再発防止策を検証する。
運行管理課によると、2日午前6時半ごろ、上熊本発健軍町行きの車両(2両編成)が上熊本電停を出発する際、60代男性運転士が、赤信号を確認せずに発進し、誤った方向へ走行した。約9メートル進んだところで間違いに気付き、正しい軌道に戻って運行を続けた。
信号や軌道の分岐を切り替える運転指令が、運転士と無線で連絡した後、切り替え操作を忘れていたが、運転士は「発車時刻になったので進行していいと思い込んだ」と話しているという。
交通局は、発車時に無線と指さしで信号などの確認を徹底する。運行管理課は「市電に対する信頼を損ねたことを認識し、再発防止に向け乗務員教育を徹底するとともに第三者委でも検証していく」としている。(上村彩綾)