慶大は2回、内野ゴロの間に1点を失う。しかし3回、1死満塁のチャンスで清原正吾(商4・慶應)に2点適時二塁打が飛び出し、逆転に成功する。5回に同点に追いつかれたが、8回に"ツネ"こと常松広太郎(政3・慶應湘南藤沢)が値千金の勝ち越し適時打。投げては外丸東眞(環3・前橋育英)がエースの貫禄で完投し、今季3つ目の勝ち点を奪取した。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 立大 0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 慶大 0 0 2 0 0 0 0 1 × 3
◆慶大打撃成績
1 2 3 4 5 6 7 8 9 1⑥水鳥遥貴 中飛 ・・ 右2 ・・ 四球 ・・ 遊ゴ ・・ ・・ 2④林純司 三直 ・・ 一直 ・・ 犠打 ・・ 一ゴ ・・ ・・ 3⑤本間颯太朗 三ゴ ・・ 死球 ・・ 左飛 ・・ ・・ 四球 ・・ 4③清原正吾 ・・ 中飛 左安 ・・ 三振 ・・ ・・ 三振 ・・ 5⑦真田壮之 ・・ 四球 三振 ・・ ・・ 二ゴ ・・ ・・ ・・ 7佐藤駿 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 三振 ・・ 6②渡辺憩 ・・ 三安 三振 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 2森谷史人 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 中安 ・・ 四球 ・・ 7⑨常松広太郎 ・・ 三ゴ ・・ 中安 ・・ 中飛 ・・ 左2 ・・ 8⑧横地広太 ・・ 中飛 ・・ 二併 ・・ 中飛 ・・ ・・ ・・ 9①外丸東眞 ・・ ・・ 四球 二ゴ ・・ ・・ 右安 ・・ ・・
◆慶大投手成績
投球回 打 者 投球数 安 打 本塁打 四死球 三 振 失 点 自 責 外丸東眞 9 41 137 11 0 3 5 2 1
試合開始が迫ってきた午後1時前、神宮球場は突然の豪雨に。試合の開催が危ぶまれる程の雨量であったが、雨の降り続く中プレイボールが宣告された。観客の数は極端に少なく、コロナ禍の試合を思い出させるような静寂に包まれた。
慶大は2回、安打と野選、犠打で1死二、三塁とされると、内野ゴロの間に1点を失う。その後も連続死球で2死満塁のピンチとなったが、最後は空三振で切り抜け追加点は与えなかった。
反撃に出たい慶大は3回、先頭の外丸が四球で出塁すると、1番に入ったヒットメーカー・水鳥遥貴(商4・慶應)が二塁打でチャンスを拡大。1死後、4番・清原の放った打球は左翼手の頭上を越える2点適時二塁打となり、一挙逆転とした。
しかし5回、2死二塁とされると、勝負強さが売りの6番・丸山一喜(コミュ2・大阪桐蔭)に同点の適時二塁打を浴び、試合は振り出しに戻る。5回裏には立大1、3回戦で苦しめられた小畠一心(営3・智辯学園)が登板し、両エースの投げ合いで試合はこう着状態となった。
均衡を破ったのは8回。先頭の本間颯太朗(総4・慶應)が粘って四球を選ぶと、渾身の叫びでチームを鼓舞。これに燃えたのか、2死一、二塁から常松が殊勲の適時二塁打。この春がリーグ戦初出場という苦労人が、最後に大仕事をやってのけた。
エース外丸は走者を出しながらも、粘りの投球で2失点に抑え、最終9回もマウンドへ。先頭打者に内野安打を打たれると、犠打を挟みこの日11安打目となる右安打を打たれ1死一、三塁に。ここで迎えるは5番・菅谷真之介(コミュ4・市立船橋)。3回戦では本塁打を放っている強打者だが、二ゴロ併殺打に抑えゲームセット。外丸は9回138球、被安打11、2失点での完投勝利となった。
異例の水曜日開催となった本試合。試合前には豪雨に見舞われるなど難しい試合となったが、なんとか勝ち点を奪った。次戦は天王山となる明大戦。投手陣が豊富で、打線も経験豊富な打者がそろう、優勝候補の一角だ。残すカードは明大、そして早大。リーグ戦後半の戦いは、より一層厳しいものとなりそうだ。
(記事:工藤佑太、写真:河合亜采子、加藤由衣、大泉洋渡)