ECB、6月利下げ開始を示唆 4月着手の少数意見も=議事要旨

[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が10日公表した4月10─11日の理事会の議事要旨で、ユーロ圏のインフレ率は来年に目標とする2%に低下するとの見通しが示され、ECBが6月の理事会で利下げを開始する公算が大きいことが分かった。

ECBは同理事会で中銀預金金利を過去最高の4.0%に据え置くと決定。同時に声明に新たな文言を盛り込み、近く利下げに踏み切る可能性を示唆した。

議事要旨では「6月に制約的な金融政策の緩和が開始される妥当性が高い」との見方が示された。4月に緩和を開始すべきとの主張もあったが、賃金や物価を巡る一段の経済指標が得られるまで待つべきとの見解が大多数だった。

また、インフレ目標を下回るコストと上回るコストが同程度になったと見なされていたことが判明。それまでは、急速な物価上昇がより大きなリスクという見方が大勢だった。

このほか、ECBの予測は経済指標で裏付けられているとし、信頼性が高まっているとの見解が示された。

次回理事会は6月6日。市場では現在、ECBは年内に3回(6月、9月、12月)の利下げを実施すると予想されている。

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