国連総会、パレスチナ加盟を支持 イスラエル反発

Michelle Nichols

[国連/エルサレム 10日 ロイター] - 国連総会は10日、パレスチナの国連正式加盟申請に関する決議案の採決を行い、賛成多数で支持した。パレスチナに正式加盟の資格があると認めるもので、安全保障理事会に「前向きに再検討する」よう勧告した。イスラエルは直ちに「不条理な決定」として反発した。

国連総会(193カ国)で行われた採決で、143カ国が賛成。米国やイスラエルなどを含む9カ国が反対し、25カ国が棄権した。

今回の国連総会の決定はパレスチナに完全な加盟資格を与えるものではなく、単に加盟資格を満たしていることを認めるもの。安保理は先月、米国が拒否権を行使しパレスチナの国連正式加盟を勧告する決議案を否決しており、国連に正式に加盟するには安保理の承認を得た上で国連総会で3分の2以上の賛成が必要になる。

米国のウッド国連次席大使は採決後、国連での一方的な措置はイスラエルとパレスチナの「2国家共存」につながらないと指摘。「米国の投票は「パレスチナ国家樹立に反対を示すものではない」とし、「米国は、国家樹立は当事者間の直接交渉を伴うプロセスを通してのみ実現すると認識している」と述べた。

パレスチナ自治政府トップのアッバス議長は「国連正式加盟に向けた取り組みを継続する」と表明。イスラエルのカッツ外相は「国連総会で採択された不条理な決定は国連の構造的な偏りを反映している」と非難した。

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