琉球ドラゴンプロレス11周年を飾る激戦7試合! グルクンマスクが受ける小島聡の剛腕ラリアット【動画あり】

タイトル防衛後に「僕たち琉球ドラゴンプロレスリングから目を離さないでください。ありがとうございました!」と声を大にするティーラン獅沙(中央)

 琉球ドラゴンプロレスリングの旗揚げ11周年を記念した大会「RYUKYU DRAGON MEMORIAL 2024」が4月28日、那覇文化芸術劇場なはーとで開催された。琉ドラの所属レスラーがずらりそろった他、交流の深い他団体から15選手がゲスト参加。新日本プロレスの小島聡が代名詞の剛腕ラリアットで琉ドラのグルクンマスク“選手兼社長”をマットに沈めるなど、年に1度の祭典に華を添えた。御万人王座「琉王」のベルトをかけたメインイベントでは、南城市出身の地元選手・ティーラン獅沙がアクロバティックな技の数々で美ら海セイバーを撃破。24分にも及ぶ激闘の末、初の防衛を果たした。(文・写真・動画=長濱良起)

「声を思いっきり出して楽しんで」

 会場にはプロレスファンに加え、家族連れや外国人など幅広いファン層の姿が。ゴールデンウイーク(GW)期間中ということもあり、県外からの来場者も見られた。試合中は、お気に入りの選手の名前を叫んだり、沖縄らしく指笛で鼓舞したりと盛り上がった。開始前には、琉ドラを代表してグルクンマスクがマイクを握ってお礼を述べ、「声を思いっきり出して、好きな選手を応援して、楽しんで、笑顔でお帰りいただきたいです」と、これから始まる7試合への期待感を高めた。

試合前にあいさつするグルクンマスク(左)とリングアナのトニー田口

3人タッグ戦 最後は台湾出身HAKKAがフォール勝ち

HAKKA(左)にラリアットを浴びせる神野聖人

 第1試合は2020年に立ち上がった団体「グレースプロジェクト」が提供する6人タッグマッチ。同団体の代表で「沖縄に移住した東京のバカ社長」がキャッチフレーズのキャプテン・グレースは、伊東優作(ダブプロレス)、HAKKA(フリー)とタッグを組み、神野聖人(プロレスリングBASARA)、中野貴人(同)、ドラゴン・リブレ(プロレスリングFREEDOMS)と対戦。泥くさいチョップの応酬や多彩なスープレックス(投げ技)、場外乱闘を展開するなど、1試合目にぴったりのにぎやかな展開に。最後は台湾出身のHAKKAがドラゴン・リブレにフォール勝ちを収めた。

キャプテン・グレース 伊東優作 ◯HAKKAVS神野聖人 中野貴人 ×ドラゴン・リブレ9分44秒 ジャックハマー⇒片エビ固め

琉ドラの注目株・オリオン VS ベテランのビリーケン・キッド

ビリーケン・キッド(右)にフランケンシュタイナーを決めるオリオン

 琉ドラの注目株・オリオンは、ベテランのビリーケン・キッド(大阪プロレス)と対戦。昨年デビューしたばかりとは思えないほど高度なテクニックや刺激的な試合運びに子どもたちからも「オリオン!」と声援が飛ぶ。対するビリーケン・キッドもベテランの意地を見せ、オリオンが空中で1回転するほどの強烈なラリアットを見舞うと流れを引き寄せた。最後は得意技のベルディゴでオリオンを真っ逆さまに落とし、勝利をもぎ取った。

◯ビリーケン・キッド VS ×オリオン12分34秒 ベルディゴ

パワーで押したウルトラソーキ 惜敗

BxBハルク(中央)をロープに振るブラックめんそーれ(左)とウルトラソーキ

 糸満市出身のウルトラソーキ(琉ドラ)とブラックめんそーれ(フリー)が、DRAGONGATEのスター選手、YAMATOとBxBハルクを迎え撃つ。YAMATOは昨年の10周年記念大会でグルクンマスクのマスクを剥いだ、琉ドラにとっては“因縁の相手”でもある。ブラックめんそーれが手をハブのようにする決めポーズ「シャー!」で会場を盛り上げ、ウルトラソーキが巨体を生かしたパワーファイトで再三相手をピンチに陥れるも、最後はハルクの顔面キックを受けたソーキがYAMATOに押さえ込まれスリーカウントとなった。

×ウルトラソーキ&ブラックめんそーれVS◯YAMATO&BxBハルク13分22秒 横入り式エビ固め

体重100キロの優宇がまえだみさきにズドン

本間多恵(中央)を執拗に痛めつけるハイビスカスみぃ(左)と優宇

 第4試合は女子選手の2人タッグマッチ。まえだみさき(琉ドラ)と本間多恵(フリー)の前に立ちはだかるのは、経験豊富なハイビスカスみぃ(琉ドラ)と体重約100キロの優宇(フリー)。華やかな空中戦などプロレスの魅力を放った。優宇は、まえだと本間を同時に抱えて落とすなど大暴れ。最後はコーナーロープ最上段からまえだにズドンとのしかかり勝利。退場時には疲れ果てたみぃをおんぶする余裕まで見せた。

ハイビスカスみぃ&◯優宇VS×まえだみさき&本間多恵9分10秒 ボディプレス⇒体固め

小島聡が登場! グルクンマスクに「何回でも呼んで」

小島聡(右)の腕を極めるグルクンマスク

 スペシャルシングルマッチと銘打たれたこの試合。日本のプロレス界をけん引し続ける小島聡(新日本プロレス)の登場に会場は大盛り上がり。ヘビー級の小島に合わせてこの日のために増量してきたグルクンマスクと、熟練の本格ファイトを見せつけた。両者ともにずっと待ち望んでいたというこの対決。試合後のマイクパフォーマンスでグルクンマスクは「小島さん、今回限りってことはないですよね? また小島さんの力をお借りしていいですか?」と問うと、小島は「ぜひ何回でも呼んでください」と応答。両者のがっちり握手で幕を閉じた。

×グルクンマスク VS ◯小島聡11分8秒 ラリアット⇒片エビ固め

一瞬の速攻で首里ジョーが幕引き

杉浦透(左)にチョップを食らわせる首里ジョー

 琉ドラのタッグタイトル「双琉王」をかけた試合。王者組の首里ジョー&モズク富永(琉ドラ)に対するは、佐々木貴&杉浦透(プロレスリングFREEDOMS)。蛍光黄緑のオープンフィンガーグローブでそろえた首里・モズク組は打撃技も織り交ぜながら相手をじわじわ攻めていく。デスマッチの傷が体中に残る佐々木と杉浦のパワーに苦戦するも、最後は一瞬の隙を突いて悪辣(あくらつ)な速攻を決めた首里ジョーが佐々木を押さえ込み、タイトル防衛に成功した。

◯首里ジョー&モズク富永 VS ×佐々木貴&杉浦透16分40秒 スピア⇒エビ固め

両者限界超え! 最後はティーラン獅沙がタイトル初防衛

美ら海セイバー(右)の膝をマットにたたたたきつけようとするティーラン獅沙

 「琉王」のベルトを防衛すべく、ティーラン獅沙(琉ドラ)が美ら海セイバー(同)と交えたこの一戦。序盤は本格レスリングで緊張感あふれる空気感を演出したかと思えば、場外への飛び技や派手な投げ技などお互いが身を挺したファイトを連発。試合終盤、両者とも体力を消耗しきって、いつスリーカウントとなってもおかしくない状況が続く中、両腕を広げ「わー!」と気合の雄叫びを上げたのは王者ティーランだった。コーナートップから高く舞い上がるフロッグスプラッシュを決めると、エビ固めで試合に終止符を打った。

◯ティーラン獅沙 VS ×美ら海セイバー24分34秒 フロッグスプラッシュ⇒エビ固め

試合は無料配信も

試合後に勢ぞろいする大会の出場選手ら

 ※試合の様子はYouTube「琉球ドラゴンチャンネル」で視聴できる。

 今回参戦した「プロレスリングFREEDOMS」が5月19日に西原町さわふじ未来ホールで試合を行う。琉ドラの選手も多数参加予定。詳しくはFREEDOMSウェブサイト
 

© 株式会社沖縄タイムス社