悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?【秋篠宮家の学校選び】

秋篠宮さまと悠仁さま(代表撮影)

【秋篠宮家の学校選び】#13

「悠仁さまが推薦で東大に合格した場合、ネガティブな声がより高まる状況にある」と話すのは個別指導塾経営者。大学選びのタイムリミットが迫る筑波大付属高校3年の悠仁さまだが、非常に難しい局面を迎えている。最有力とみられる推薦入試(学校推薦型選抜)による東大挑戦がこれまで以上に反発を受ける可能性があるからだ。その理由として塾経営者は「制度本来の目的が失われつつある」といった背景を挙げる。

東大が推薦制度を導入したのは2016年度。特定の分野で傑出した能力や意欲を持っている人材を発掘するのが目的だった。

トンボの研究で実績を残している悠仁さまにとってはピッタリの制度のはずだった。ところが、今や「東大に入りたい受験者が一般入試に加え、さらに合格の確率を上げるための保険のような制度になっている」というのだ。

24年度は志願者256人に対し合格者は91人。上位は開成、灘、渋谷教育学園渋谷で各3人。一般入試でも東大合格者ランキング常連の中高一貫校だ。この3校だけで推薦合格者の約1割を占めた。男・女子校が出願できるのは3人(共学は4人)まで。男子校の開成と灘は枠を目いっぱいに使って全員が合格したことになる。「すでに9回の選抜が行われ、どうすれば関門を突破できるか、推薦対策も想像以上に進んでいる」と塾経営者は現状を解説する。「これでは続ける意味がない」と嘆くのは制度導入に関わった東大の理系教授だ。

■東大が欲しいのは「愚直に一つのことに取り組む研究者タイプ」

「ペーパーテストでは測れない実力を見いだすための手段として、この制度が生まれた。にもかかわらず、偏差値が高い人材ばかりが集まる結果になっている。すべてをそつなくこなすより、愚直に一つのことに取り組む研究者タイプが欲しいのに残念です」

そうした意味で悠仁さまに注目してきたと同教授は打ち明ける。昨年11月に国立科学博物館の学術出版物に発表された悠仁さまの論文「赤坂御用地のトンボ相」は「調査に10年以上かけた秀作。その粘着質に頭が下がる」と評価する。しかし、悠仁さまが東大推薦入試にチャレンジした場合、「さまざまなあつれきが生じるだろう」と前出の塾経営者は予想する。

「23~24年度に東大の推薦入学を目指した理系の受験者の大半はコロナ禍で、思うように研究活動ができなかった。25年度の受験者も割ける時間は少ない。その点、悠仁さまは圧倒的に有利な環境にあり、同じ土俵で競うのは不公平ではないかという声が上がっているのです」

しかも、皇室への忖度を疑う声もあるという。

「ただでさえ枠が少ない推薦制度で悠仁さまの1枠が減ることに対し、迷惑だと考える人もいる。相対評価の一般入試と違い、絶対評価の推薦で枠が決められていること自体、おかしいのですが」

今や、推薦入試を一般入試と変わらない捉え方をする受験者が多い中で悠仁さまや秋篠宮家がどう判断するのか、シビアな目が向けられている。

(田中幾太郎/ジャーナリスト)

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