不適切にもほどがあった? 深夜お色気番組から生まれたアイドルグループはこんなに元気だった

「オールナイトフジ」のおかわりシスターズがレコードデビュー

大ヒットドラマ「不適切にもほどがある!」では、架空の昭和の深夜お色気番組「早く寝ナイトチョメチョメしちゃうぞ」が登場し、ロバート秋山演じる司会の「ズッキー」が「チョメチョメガールズ」のミニスカの股下をくぐって登場するなど、今なら炎上確実のエッチなシーンが描かれた。あまりにも当時の深夜番組の雰囲気をよく再現していたため、ネット上では「この番組って本当にあったの?」の声もあがった。

確かにかつては、深夜の「お色気番組」は当たり前のように放送されていた。今は、テレビ局のコンプライアンス重視の影響で絶滅状態であるが、これらの番組からアイドルグループが誕生するケースも多かったのだ。

■女子大生ブームの象徴

その先駆けとなったのが、1983年にフジテレビで放送開始となった「オールナイトフジ」。当時は女子大生ブームで、そのブームに乗っかり、彼女たちが番組発でデビューすることに。そこで選ばれた山崎美貴、松尾羽純、深谷智子が、おかわりシスターズとして「恋をアンコール」を発売。前評判が低かったが、いきなりヒットを飛ばし、オールナイターズの名前を世間に知らしめた。

おかわりシスターズのデビューから2カ月後に、テレビ朝日系で放送していた「グッドモーニング」が、マスコットガールの南麻衣子、小川菜摘、深野晴美の3人でオナッターズを結成。歌った楽曲は下ネタ満載の「恋のバッキン!」だった。インパクトあるグループだったが、オールナイターズには及ばず番組が終了とともに解散してしまった。

90年代になると深夜お色気番組の人気に拍車がかかり、人気セクシー女優が出演していたテレビ東京系の「ギルガメッシュないと」が人気に。番組内で行われたオーディションで、染谷正美、斉藤りさ、星野かおりが選ばれセクシーメイツとして活動をスタートするのだが番組出演者の飯島愛や憂木瞳らのセクシー女優の壁は厚く、大きなヒットには恵まれなかった。同時期に同局で放送していた「平成女学園」では、斉藤恵子、長谷川恵美、結木さおりによる平成おんな組が結成された。セクシーグループブームに乗っかるようにして結成され、デビュー曲「ビバ!結婚!」を発売するも散々な結果で、このデビュー曲がラストシングルになってしまった。

90年代も後半になると、深夜のお色気番組も激減。そんな中、これまでと違ったタイプの番組「出動!ミニスカポリス」(テレビ東京系)の放送が開始。あくまでも車紹介の番組だが、グラビアアイドルを中心としたメンバーがエロいことにチャレンジすることで人気になった。今でもメンバーを入れ替えながらグループは継続中。息の長い活動には脱帽である。

セクシー女優とグラドルが合体

さらにテレビ東京系では、2008年に究極の深夜お色気番組「おねがい!マスカット」がスタート。番組には、セクシー女優やグラビアアイドルなどの異業種のタレントで構成されたメンバーが集まり、恵比寿マスカッツとして活動を開始。これまであまりバラエティー番組に出演することがなかったセクシー女優の蒼井そら、麻美ゆま、吉沢明歩らが中心だったことで、瞬く間に人気番組となった。番組は1年で終了したが、後続番組「おねだり!!マスカット」で恵比寿マスカッツはさらに人気になり、歌手デビューすることになった。以降も番組名を変えながら、5年間の活動でグループは解散。伝説の番組として今でも語られている。

その後に平成の「オールナイトフジ」という触れ込みで09年に「キャンパスナイトフジ」がフジテレビでスタートしたのだが、エロさもヌルく番組的にも芸人がワイワイやっているだけの番組だったことで、女の子の注目度も低く、番組は1年で終了。終了間際に、レギュラーのキャンパスナイターズが「エロくないのにエロく聴こえる歌~しこたまがんばれ!~」を発売するも世間に浸透することもなくグループは消滅。

そして現在は令和の「オールナイトフジ」として「オールナイトフジコ」が昨年4月から始まり、現役女子大生のフジコーズが活動している。昨年12月に「ウェーイTOKYO」でデビュー。このままオールナイターズのように人気となるのか気になるところだが、この4月から番組の放送時間が2時間から1時間に短縮され、番組終了の危機でもある。今のご時世で深夜お色気番組からスターは生まれるか難しいのかも知れないが、まずはフジコーズに期待をしてみたい。

(ブレーメン大島/プロアイドルヲタク)

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