静岡県・川勝平太知事が9日に辞職…余生は浅間山で「仙人になるんで」のホントかよ?

孤軍奮闘だった?(C)日刊ゲンダイ

「南アルプスの水資源確保とリニア事業の両立を図るという4期目の公約に一つの区切りがついた」

新人職員に対する訓示が「職業差別」などと批判された静岡県の川勝平太知事(75)が9日、辞職した。川勝氏は同日の会見で、15年に及んだ県政を振り返り、「危機管理最優先で取り組んできた」と語った。リニア中央新幹線の静岡工区については「黄色信号」と言い、改めて検討を重ねるべきだとした。

「平太のおじさん、平太のおじさん、あなたの住まいはどこですか~」「はいはい、私の住まいは信州信濃の山奥の浅間山の森の中~」

会見で記者の笑いを誘ったのが、今後の政治活動を続ける可能性を問われた時だ。

川勝氏は「ありません」と即答し、続けて「仙人になるんで」ときっぱり。さらに江戸時代の俳人・小林一茶にまつわる童謡の替え歌を口にし、「小鳥とお話しして過ごす。これが私のイメージしている仙人の姿です」と笑顔で語った。

■浅間山の麓の「仙人」が心変わりする日は?

SNS上では《まさかの山籠もり》といった声も出ていたが、それはないだろう。

川勝氏といえば長野県の高級別荘地である軽井沢に豪邸を持っていることで知られており、川勝氏が替え歌の際に引用した小林一茶の故郷も長野県だ。

20年ほど前に川勝氏の軽井沢宅を訪れた人物がこう言う。

「市民団体が夏、川勝氏の庭園で『ガーデン・オープン・チャリティ』を開いた際に中に入ったのですが、庭がよく手入れされていて、赤いイングリッシュローズなど鮮やかな花が咲いていたのを覚えています。まさに英国庭園の雰囲気でした。関東近県から、商社マンや知人らも来ていて記念写真を撮っていましたね。建物は昔ながらの洋館というのか、とにかくおしゃれでした」

現在、長野県知事を務める総務官僚出身の阿部守一氏(63)は、現在4期目で多選弊害の声も上がる。次回の長野県知事選はおよそ2年後だが、浅間山の麓の「仙人」が心変わりする日はあるか……。

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