親子でできる性教育 体の仕組みを知って自分を守る 【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は、親子で話し合ってもらいたい「性教育」についてプレゼンします。

広島市内で、親子向けの性教育の講座を行っているところを取材しました。毎月第3日曜日に広島市中区の空鞘稲生神社で開催されている「いのちのはなし」という講座で、 えの助産院の助産師・増田かなえさんが3年前から始めました。助産師という仕事柄、望まない妊娠や出産に接することもあり、自分の体を大事に思っていなかったり、体の仕組みが分かっていないために、そういった要因になると感じていたことがきっかけで、講座を始めたそうです。

取材時のテーマは「生理のはなし」でした。『プライベートゾーン』の話しや、生理を中心とした女の子の体の仕組みや心についてみんなで話をします。実際に生理用品を見たり触ったりするので、女の子限定で8歳から10歳までの3組の親子が参加しました。『プライベートゾーン』は、いわゆる「水着で隠れる部分」と言われる場所で、胸・お尻・性器に加え、口も含まれます。『プライベートゾーン』とは、近年言われ始めた言葉で、初めて聞く親子も多いと思います。増田さんは、プライベートゾーンを「命に関係する場所」と説明しており、子どもたちに4つの約束を伝えました。

その約束は、「プライベートゾーンは人に見せない、触らせない」「人のプライベートゾーンを勝手に見ない、触らない」「プライベートゾーンのことを話すのも話さないのも、自分の自由」「プライベートゾーンを見る人・触る人は、自分で決められる」というものです。このような話しをすることで、性被害から自分を守ることに繋がると言います。

この講座では話を聞くだけではなく、子供たちが発表したり、体感することも心がけています。例えば、卵子と同じ大きさの0.15mmの小さい穴を見るなどをすることで、主体性や自信を身につけて、自分で考えて自分を守る力をつけて欲しいということです。

親子で講座に参加した母親の根木雪乃さんは「自分自身は恥ずかしくて親とあまり性の話をしたことがなかったが、娘とはオープンに話せる関係になりたい」と言います。また、娘で10歳の知秋さんは「生理に備えられてよかった」と、8歳の明音さんは 「体の中が好きになった」と話していました。講師で助産師の増田さんは、性被害にあった時に誰にも相談できない、妊娠を親にも言えないといったことから起こる悲劇を防ぐためにも、何でも相談できる親子の関係作りは大切だということでした。

家庭での性教育のアドバイス

増田さんによると、性教育を始める時期として、世界の標準は5歳から言われていますが、赤ちゃんの時からできる性教育があると言います。例えば、おむつを変える時に「うんちが出たね。すっきりして気持ちいいね。」といったポジティブな声をかけるということです。そうすることで、体や排せつ物、プライベートゾーンは「汚いもの」ではなく「大切なもの」ということを気付かせることができます。子供は「自分の体は大事で、このままでいいんだ」と感じることで、将来「ノー」と言える大人になれるということです。

「赤ちゃんはどこから生まれるの?」と、子どもに聞かれたら科学的に事実を伝えてと、増田さんは話します。例えば「女の子には、おしっこの通り道とうんちの通り道と、もう1つ命の通り道があるんだよ。」「1日しか生きない卵子が、3日しか生きない精子と出会って、命の元になるんだよ。」というように、体の仕組みを教えてほしいとのことです。最も大事なことは、こういった質問された時に、困った顔をするなどネガティブな反応はしないことです。「どうしてそういうことが気になったの?」と、逆に質問をすることで、一緒にそういった絵本など見るように促すのも良いということです。

最後に「自分で自分のパンツを洗う」というのが性教育につながるので、おすすめだと増田さんは言います。理由として、排せつ物や性器に対して、ポジティブなイメージを持つことができ、プライベートゾーンを守ることにも繋がるからだそうです。また、小さい頃から自分で洗う習慣をつけることで、思春期になって初潮や精通を迎えた時に、自分で対処できるそうです。「性教育」について、親子で話してみてください。

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