カッコいいのは誰? キラにアスラン…『ガンダムSEED』男性キャラを女性目線で採点してみた

劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(C) 創通・サンライズ

2024年1月に公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の勢いが止まらない。興行収入は95日間で45.2億円を突破し、劇場版ガンダムシリーズ最大のヒット作となった。

ところで、本作のシリーズ1作目となる『機動戦士ガンダムSEED』がガンダムデビューだという女性は多いのではないだろうか。平井久司さんがデザインした中性的で美的なキャラクターに多くの女性ファンが夢中になったが、そんな彼らのなかでカッコいいのは誰なのか。ということで、『SEED』シリーズの主要男性キャラを女性目線で採点してみた。

■採点基準について

一般的に女性が求める“カッコいい”の基準として、今回は2023年に公開された『ゼクシィ』の「女性から見た男性の魅力ランキング」を参考にした。

アンケートの結果、カッコよさに外見と内面の両方を重視する女性が過半数だったが、『SEED』はどのキャラも清潔感あるイケメンぞろい。そこで内面のカッコよさに全振りし、ランキングTOP5の「器が大きい」「優しい」「感情にムラがない」「ポジティブ」「正直」を基準にした5段階評価とした。

■『SEED』といえばこの二人! キラ・ヤマトとアスラン・ザラ

柔和な雰囲気が魅力的なキラ。争いを好まない優しい性格は、誰もが認めるところだろう。一方で、その優しさや繊細さから不安定になる場面も印象的だ。

また、時に強情が過ぎる姿を見るにつけても、決して器が大きく感情にムラがないタイプとは言い切れない気もする。しかし根っこの部分では、人類の善を信じたいポジティブさと正直さを併せ持った少年なのだろう。最終的な採点は3/5とした。

そして、クールで頭脳明晰だが鈍感なところが憎めないアスラン。典型的なハイスペ男子で、おカタくオクテだが根は優しい。

生真面目すぎる性格や、いつも思い悩んでいるせいか、器が大きくポジティブだという印象はあまりない。境遇や立場を考えれば当然のことだが、自分の思いを周りに正直に打ち明けるのも苦手なように思う。そのせいでたまに爆発して感情的にもなるものの、基本的には冷静でムラのないタイプだ。結果、2/5。

■『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の問題児? シン・アスカ

「優しくて温かい世界」を求め続けたシン。独りよがりで、すぐに周りに噛みつく姿が嫌われることも多い。優しすぎる、純粋すぎるところから不安定になるのは、キラと似ているところがあるかもしれない。

ただシンのほうは深い傷つきが怒りという二次感情に転化されてしまい、周囲に助けを求めることもできないため、どうしても“攻撃的で器の小さいひねくれ者”という姿が表に立ってしまう。一方で落ち着いているときは仲間と過ごす場面が多く、人間好きな側面も窺える。そのあたりも含めて、採点は2/5。

今回の採点方式では主人公3人があまり高得点にならなかったが、16歳という若さを考えると、まぁそんなものだろうか……。

■根強い人気を誇るイザーク・ジュールとディアッカ・エルスマン

銀髪が美しいイザーク。物語初期は傲慢で高飛車な面が目立ったが、物語が進むにつれて柔軟性を身につけ、オトナな軍人へと変貌を遂げた。

ポジティブという印象はないが、根は優しく仲間想い。しかしそれを素直に表に出せない。すぐ熱くなって激昂する場面も一貫して目立つ。ツンデレ青年のいじらしさ、可愛さは重々承知だが、今回の結果は1/5。

イザークと同様、初期は差別的で好戦的だったディアッカ。それが大人になっていく姿や、ミリアリア・ハウとの関係に胸をときめかせたファンは多いだろう。イザークのなだめ役で、優しく面倒見が良い様子から、器も決して小さくはなさそうだ。

良くも悪くも率直で、おそらく根はポジティブ。憎まれ口ばかり叩いていた時期を見ても感情のムラ自体はなく、何気に今回の基準で見ると5/5か……?

■若者を見守る大人たち……ムウ・ラ・フラガとアンドリュー・バルトフェルド

アークエンジェルの頼れる兄貴分、ムウ。優しく大らかに艦のみんなを見守り続けた。感情的にも安定し、ポジティブだが決して楽観主義者ではなくシニカルな視点も持ち、バランスのとれた性格のように思う。のちにネオ・ロアノークとなったときは少し硬い雰囲気になったが、それでもムウらしさは健在だった。文句なしの5/5。

そしてランバ・ラル的ポジションでキラを導いた、「砂漠の虎」ことバルトフェルド。戦時下でも趣味を楽しむ様子などからは、精神的に成熟した大人の余裕が窺える。

適度なチャラさの中にシニカルさが見えるのはムウと似ているが、もう二、三歩リアリスト寄りの印象だ。その点、女性が思い描くような“優しくて正直な人”ではないだろう。結果は3/5。

■魅力的なラスボス! ラウ・ル・クルーゼとギルバート・デュランダル

悪役としては最高に魅力的なクルーゼ。終始物腰は柔らかく穏やかだが、腹の底で毒づく場面や、悲観的なモノローグが印象的だ。割とわかりやすく優しくもポジティブでも正直でもない。一方で、部下を叱ることなく言い分を聞くなど鷹揚に対応する場面がよく見られ、器は大きそうだ。結果は2/5。

最後にデュランダル議長。強い求心力を持つ反面、“愚かな人類を私が導くのだ”という傲慢ぶりにドン引きした女性もいるだろう。

憐れみに近い優しさ、他者ではなく自分自身に向けられたポジティブさと正直さは、大いに魅力的ではあるものの、女性の求めるものとはズレるように思う。悩ましいところだが、器の大きさと知的で落ち着いた人柄で2/5とした。

以上、『SEED』シリーズの主要男性キャラを採点してみた。今回は『ゼクシィ』の基準を参考にしてみて、ディアッカ、そして、ムウが5/5の最高得点となったが、違う基準で見ればまた違った結果になるだろう。筆者の推しは「砂漠の虎」だが、彼もまた微妙な結果で寂しい限りだ。

現在も公開中の劇場版だが、公開17周目の5月23日で全国規模での上映終了が決定している。週替わり入場者プレゼントも配布されているので、まだ観ていないというのであれば、劇場に足を運んでみてはいかがだろうか。

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