悪質なパワハラ、新たに2人懲戒処分 相馬消防本部

 相馬地方の消防職員によるパワーハラスメント行為があった問題で、相馬地方消防本部は10日、新たに職員2人の懲戒処分を発表した。同消防本部の男性消防司令補(42)を懲戒免職とし、相馬消防署新地分署の男性消防司令補(44)を停職6カ月とした。処分は9日付で、新地分署の男性消防司令補は係長から副主任主査に降任した。

 同消防本部によると、消防本部の男性消防司令補は、救助訓練の指導をしていたチームが全国大会に出場したことを理由に、後輩職員らに対して10万円を支払うよう要求して現金を受け取ったり、所属サッカー部の後輩職員に2万円で所有するユニホームを買うよう求め、支払いを受けたりした。このほか、後輩職員に対して「穴開けちまうぞ」と言いながら頬に不具合で動かないドリルの刃を向けたり、「邪魔だ」などと言って後ろから尻を蹴るなどした。「何だその目は」などと言い執拗(しつよう)に責めた職員は強度の心的ストレスでうつ病を罹患(りかん)し、病気休暇を取得した。現金の支払いを強要するなど悪質性が高いと判断し、免職処分とした。

 新地分署の男性消防司令補は火災で出動した際に後輩職員にヘッドロックをしたり、掃除機を投げ付けて胸ぐらをつかんだりした。「使えない」「辞めろ」「おまえができないのは両親の育て方が悪いんだ」などの暴言も浴びせたという。

 今回の問題を巡っては、調査を進めている第三者委員会が職員4人のパワハラ行為を認定。4人のうちの2人については4月にそれぞれ停職3カ月と、停職1カ月の懲戒処分としていた。第三者委には4人以外の職員からのパワハラ行為に関する情報も寄せられており、調査を続けている。五賀和広消防長は「調査結果を踏まえ、他の職員についても厳正に対処したい」とのコメントを発表した。

© 福島民友新聞株式会社