松田元太、永瀬廉は「まさに“男友達”みたいな感じ」 『東京タワー』で発見した新たな一面

テレビ朝日系オシドラサタデー『東京タワー』の躍進が止まらない。見逃し配信の再生回数は、第1話から200万回を突破。放送のたびにSNSでトレンド入りするなど、話題性において今期トップクラスの勢いを見せている。

同作で主演を務めるのが、King & Princeの永瀬廉。永瀬演じる21歳の青年・小島透は、20歳以上年の離れた女性・詩史(板谷由夏)と出会ってしまったことから、引き返せないほど深い愛の沼にハマっていく。

そんな透と同級生で、同じように年上の既婚女性との恋愛にのめり込んでしまう青年・大原耕二を演じるのが、Travis Japanの松田元太。作中でも息のあった掛け合いを見せる永瀬と松田に、撮影の裏側について聞いた。(編集部)

令和に生まれ変わった『東京タワー』の魅力

――今作では透と耕二の男同士の友情も描かれていますが、お2人はお互いのどの部分に魅力を感じますか?

永瀬廉(以下、永瀬):元太は場をなごませる力がすごいですね。発言もみんなツッコミみたくなったりクスッと笑顔になれる。そういう人はいろんなところで愛されますし、元太の魅力だなと思います。

――具体的には、どうなごませてくれるのでしょうか?

永瀬:撮影中の耕二の動きが大きくて、アクシデントが起こるんです。椅子から移動する時に壁に頭をぶつけちゃったり。それがエンターテインメントなのか偶然なのかは分かりませんが、そういうことが自然にできる人なので現場に笑いが生まれていますね。

――現場の雰囲気が明るくなりますね。

永瀬:疲れていても笑っちゃいます。

松田元太(以下、松田):廉はストイックだなというのを一番に感じます。撮影が終わったらすぐに監督とモニターをチェックしているんですよ。映像での見え方も、透としての生き方も、監督とコミュニケーションを取って自分でチェックする姿はすごく勉強になりますし、素敵だなと思います。僕の行動にもすぐツッコんでくれるので、「透と耕二」の関係性としても友達同士という空気感をリアルに描けるのだと思います。

――ご自身と役とが重なる部分があれば聞かせてください。

永瀬:透が詩史のことを好きになってからの“この感じ”はやっぱりわかりますね。僕自身、アニメとか自分がハマったものに対しては睡眠時間を削ってでも観ちゃう部分があるので、何か好きなものやハマったものに対しての熱中度合いは似ているなと思います。

松田:僕は意外と似ていないかな。だから今回、自分が役を演じさせてもらう上で、「こういう耕二も面白いかな」と考えながら演じています。

――松田さんはあまり共通点がないと話していますが、永瀬さんから見ていかがですか?

永瀬:耕二には元太のいいところが出ています。ちょっとおっちょこちょいで笑わせてくれるけれど、男らしいところも持ち合わせている。僕から見たら割と元太っぽいと思いますけどね。

――では、松田さんから見て永瀬さんと透は似ていますか?

松田:廉は現場では座長として堂々としていますが、心の中は熱く燃えたぎっている。そういうストイックさや情熱的な部分が役にマッチしているのかなと思いますね。だから廉の演じる透はどんな面も美しいし、カッコいいんだと思います。

――では、永瀬さんから見た詩史(板谷由夏)、松田さんから見た喜美子(MEGUMI)の魅力をお願いします。

永瀬:透のセリフにもあるのですが、詩史は所作が綺麗で丁寧。詩史の紡ぐ言葉も透は絶対に好きだろうと感じます。僕が永瀬廉として聞いていても惹かれる理由がわかりますね。

松田:喜美子もすごく素敵ですし、大人の女性だなと思います。それこそ詩史とはまたちょっと違う余裕がある。喜美子にはいろんな感情の波がありますが、グッと堪えている表情も逆に感情を出す様子も緩急がすごく魅力的です。演じている中でたくさんのキャッチボールをさせていただけて楽しく思っています。

――他の共演者の方の印象は?

永瀬:(透の)お母さんがすごくかわいいんです。台本だと透は冷たい印象だし、陽子(YOU)も冷たい感じ。でも、実際にお芝居してみると、YOUさんが演じる陽子はすごく愛が伝わってくる母親です。母から愛を感じているからこそ、透も母のことをちゃんと大事にしているんだろうなとわかる。そこが台本と大きく印象が違いました。YOUさんのお母さん、大好きですね。

永瀬廉&松田元太は会話をしているようでしていない!?

――お2人は初共演ということで、今回改めて発見したことがあれば教えてください。

松田:シーンとシーンの間で絵しりとりをしたのですが……廉は絵が下手でした。でもなんか好きになっちゃうようなかわいい下手さってありますよね。癖になっちゃうというか。だから自分の携帯で写真を撮って残しています。廉の絵を記録できたらいいな。

永瀬:元太は耕二の見た目にすごくこだわっているんですよ。サングラスがあったらちょっと頭にかけてみたり、ヘッドホンをしてみたり。そういう部分で元太なりに耕二という役柄を見た目の部分から探っているんだろうなとわかります。仕事に対してちゃんと考えがある人なんだと分かりましたね。

――初めてのインタビューの時からテンポのいいやりとりができている印象でしたが、お2人は最初から息が合っているのでしょうか?

松田:お互いによく話すんですけれど、深く考えずに会話ができるのでいい意味で適当というかストレスがありません。本当に一緒にいて楽だし、まさに「男友達」みたいな感じ。

永瀬:意味をよく考えたら会話になっていないんですよね。僕らの話ってどっかズレたままお互いそれを止めずに思ったことを言い合っているだけ。だから会話というよりは騒いでいるというか、お互いが独り言を言っているくらいの感じ。僕は、元太と会話していると思ったことがないんですよ。

松田:ええ? 嘘~! 僕は、めっちゃ会話してると思ってた(笑)。

永瀬:それくらい緩く喋れる相手ですね。

――ドラマの演出の部分で注目してほしいところを教えてください。

永瀬:やはり東京タワーがとても綺麗です。大事なシーンではバックに東京タワーが映っていますが、それこそ、いろんな表情があって、透の心情とマッチしているかのように見えるくらい。撮った絵をモニターでチェックしていて東京タワーと親和性のあるシーンがすごいなと感じますし、より思い入れが強くなりましたね。

松田:表情でもインパクトのあるシーンや記憶に残るシーンを届けられたらいいなと思っています。例えば、なぜここでニヤッと笑ったんだろうとか、なんでこんなにまばたきもせず見ているんだろうとか。耕二のそういうところにも注目して観てほしいですね。そう思いつつ、どこかで果物をかじりたいなという希望はあります。(映画版『東京タワー』のような)“果物かじりチャンス”はどこかにあると思いますので。ジャグジーを使いながらザクロとかをかじれたらいいなと思っています。

永瀬:いちごとかではアイドル感が増すから、ちゃんとワイルド系でね(笑)。
(文=Nana Numoto)

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