失敗恐れずに、夢実現へ 「シルク・ドゥ・ソレイユ」パフォーマー江上さん、母校で講演  神埼清明高新体操部で活躍「挑戦に無駄はない」

人生をパズルに例え、「挑戦しながらピースを集めて完成して」と呼びかける江上駿祐さん=神埼市の神埼清明高

 サーカス・エンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」のパフォーマーとして世界で活躍する江上駿祐(しゅんすけ)さん(25)が8日、母校の神埼清明高(神埼市)で講演した。病気も経験したこれまでの人生を振り返りながら、失敗を恐れずに挑戦することが夢の実現につながると訴えた。

 江上さんは小城市出身で、同高新体操部で全国総体準優勝を果たした。青森大でも競技を続け、2021年からはシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーとして米国のフロリダ州を拠点に活動している。

 全国総体では2年連続準優勝。目標だった日本一を逃し、「優勝できるのは全体の1%。自分もなりたくて『1%探し』を始めた」。トイレのスリッパを全て並べ、率先して排水溝の掃除を行うなど、人がやりたがらないことを探して取り組んだことを紹介した。

 大学1年の時、病気で体がまひし、一時は寝たきりになったが、シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーになる夢をかなえた。江上さんは夢の実現をパズルに例え、「悔しくて涙した日も(パズルの)ピースの色になる。失敗と挑戦の数がピースの大きさを決める。無駄なことは一つもない」とし、「1%探し」も大切なピースの一つだと強調した。

 江上さんは絵本作家としても活動している。講演では作品を演技で再現し、サーカス団員の少年が空中で回転するダイナミックな動きを披露。失敗や人助けなどの経験を通して成長していく少年の姿を表現した。

 1年生160人が講演を聴いた。中島和奏さんは「日常生活の中の小さな1%の積み重ねが大切だと分かった。自分も周りの人のために、何かを始めたい」と話した。(樋口絢乃)

生徒の前でパフォーマンスする江上さん

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