上田桃子は衝撃イーグルでギャラリー大歓声 スーパーショットも「見えなかったので複雑…」

ベテランも負けてはいない。上田桃子が久々の好ラウンドを見せた(撮影:米山聡明)

<RKB×三井松島レディス 初日◇10日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6305ヤード・パー72>

初夏を感じさせるような天候のもと行われた大会初日。上田桃子が衝撃的なイーグルでギャラリーを沸かせる好プレーを見せ、首位と1打差の4アンダー・4位タイで初日を終えた。

ドラマは9番で起こった。ここは打ち上げが続くホールで、特にセカンド地点からはグリーンを見ることができないほどの高低差がある。ピッチングで放ったセカンドショットはピン手前に着弾し、転がり続けると、ボールはカップ左から急カーブのような動きを見せてカップイン。その瞬間ギャラリーの大歓声が快晴の空に響き渡った。

ただ、あまりの高低差に上田はグリーン上での出来事を把握できなかったようにキョトンとした表情を浮かべる。「9番はいつも難しいと思っていて、7、8、9番と鬼門だと思っているホールでイーグル。でも見えなかったので複雑な気持ちです(笑)。うれしいのですが、ラッキーって感じです」とボールを拾いあげるまで実感も湧いていなかった。今まで「(9番は)バーディもあまりない気がします」と難関と位置づけるホールでのイーグルとなればよろこびもひとしおだ。

後半もその勢いを維持したかったが、和白コースはそう簡単に攻略させてくれなかった。「後半はグリーンが硬くなっていて、芝も結構枯れていた。インは15、16番が難しいイメージだったけど、10、11番のグリーンも止まらないんですよ。止まらないのがすごく多かったので、後半のほうが難しく感じました」。前半は1イーグル・2バーディだったが、後半は1バーディ・1ボギーと伸ばすことができなかった。

グリーンの”見え方”も悪さをしているという。「上りのパットは打てていますし、練習ラウンドも今週はせず、グリーンのタッチだけ合わせようと思ってやっている。練習グリーンも結構合っているけど、後半はどうしても乾いて見えるのでいい感じで打っているのにちょっと弱い。合っていないというより見え方が…という感じでした」。”タッチ”は問題なし。あとは目から入ってくる情報をどう処理していくかが残りのラウンドでカギになってきそうだ。

日曜日は雨予報が出ており、2日目は”貯金”を蓄えるためにも大事な一日になる。「明日頑張っておかなきゃですよね。先週からそうなのですが、やっていることが少しずつできているので、そこをしっかりやり切りたい。それでスコアを出せたら最高かなと思います」。先週のメジャー初戦は36位タイだったものの、それ以前の大会では3戦連続で予選落ちをしており、景気づけのためにも今大会で好結果を手にしていきたい。また、最終日は母の日でもある。「良いプレーを見せてよろこんでもらえるように頑張りたいです」。母の八重子さんへ最高のプレゼントを贈るつもりだ。(文・齊藤啓介)

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