雷神剣に風神剣、鬼丸にかぐや…再アニメ化が話題 『YAIBA』ってどんな作品だった?

少年サンデーコミックス『YAIBA』第1巻 (小学館)

2024年5月8日、青山剛昌さんの人気漫画『YAIBA』が完全新作としてアニメ化されることが発表された。アニメ化の発表とともに青山さん自らが描いた主人公の鉄刃の新ビジュアルが公開、さらに青山さん自らがシナリオ監修を務めることも明らかに。この一大ニュースはネット上でも大きな反響を呼び、SNSでトレンド入りするほど期待の高さが伺えた。

そこで今回は『YAIBA』の“完全アニメ化”を祝して、『YAIBA』の魅力を再検証していきたい。

■そもそも『YAIBA』ってどんなストーリー?

1988年39号から1993年50号にかけて、『週刊少年サンデー』で連載された青山さんによる漫画『YAIBA』。

物語は、ジャングルで修行していたサムライ野生児・鉄刃(くろがねやいば)が日本に戻り、峰家で居候することから始まる。中学校で剣道部の鬼丸猛と出会うも、鬼丸が伝説の魔剣「風神剣」を手にしたことで熾烈な戦いが繰り広げられる、というストーリーだ。

無邪気でお調子者の刃をはじめ、芯が強いヒロインの峰さやか、風神剣に宿る風神に呑まれたことで鬼になったライバルの鬼丸、月の女帝・かぐやなど個性豊かなキャラクターが登場。刃が数々の困難や強敵を仲間とともに乗り越え、成長していく姿が描かれている。

また、宮本武蔵や佐々木小次郎、柳生十兵衛など実在の剣豪をモチーフにしたキャラクターも登場し、青山作品ならではの個性的なキャラクターと世界観が広がっている。

アニメではどんな展開が広がるのか、キャラクターはどう描かれるのか、そして「風神剣」や、もうひとつの魔剣である「雷神剣」などから発生するさまざまな必殺剣の数々がどう演出されるのか、多くのファンが期待していることだろう。

■『名探偵コナン』や『まじっく快斗』とのコラボも

青山作品には、世界観を共有している部分がある。たとえば『名探偵コナン』に『まじっく快斗』の怪盗キッドを登場させるなど、クロスオーバー展開を行っている。

『YAIBA』も例外ではなく、『名探偵コナン』や『まじっく快斗』と密接に関係しており、『名探偵コナン』93巻では、全日本の剣道大会で二連覇している最強高校生剣士として鬼丸が剣道大会に参加している姿が描かれている。服部平次と対決する可能性があったが、殺人事件が起きてしまい、平次は探偵として捜査することになった。

また、『YAIBA』の終盤に登場した沖田総司も、『名探偵コナン』93巻に登場。剣道大会で、鬼丸と準決勝で対戦予定だったが、殺人事件のせいでこちらも対決は未遂に終わることに。

『まじっく快斗』とも共演を果たしており、1989年の『週刊少年サンデー』30周年記念増刊号で両作のコラボストーリーが掲載され、『まじっく快斗』単行本第3巻の「番外編」に収録されている。このストーリーでは、峰家に眠る宝剣を怪盗キッドが奪いに行く展開となっており、刃VSキッドの対決が見られる。

さらには、『名探偵コナン コナンVSキッドVSヤイバ 宝刀争奪大決戦!!』という、3作品のコラボOVAも制作されている。

新アニメでも『名探偵コナン』や『まじっく快斗』との共演を期待している人も多いのではないだろうか。

■『YAIBA』完全アニメ化どうなる?

実は、『YAIBA』のアニメ化は今回が初めてではない。1993年から1994年にかけて、テレビ東京系列で『剣勇伝説YAIBA』というタイトルで放送されていた。

前回のアニメでは、江戸川コナンの声優でおなじみ高山みなみさんが主人公の鉄刃役を担当。そして、ライバルの鬼丸猛役を、服部平次役で知られる堀川りょうさんが演じていた。そうした点から、新アニメの声優が誰になるかファンの間では期待の声が上がっている。

そして、前回は漫画のストーリー全てがアニメ化されたわけではなかった点も重要だ。アニメ放送開始時点では連載中だったためか、物語の中盤までしか描かれていないのだ。今回の発表では「完全アニメ化」とうたわれており、全ての物語がアニメ化されることが期待されている。

『YAIBA』は、魅力的なキャラクター、スリリングなバトルシーン、ユーモア溢れるストーリーで多くの読者を魅了してきた。まだ、放送時期やキャストなどの詳細は発表されていないが、『YAIBA』の世界観や魅力を再び堪能できる日が待ち遠しい。

© 株式会社双葉社