ピンクと白の花が青空に映える 阿蘇市でミヤマキリシマ、スズランが見頃 5月中旬まで

見頃を迎えた仙酔峡のミヤマキリシマ=9日、阿蘇市

 阿蘇市一の宮町の仙酔峡に群生するミヤマキリシマと、波野の自生地に生息するスズランがそれぞれ見頃を迎え、観光客らの目を楽しませている。阿蘇市などによると、見頃はいずれも今月中旬まで。

 晴天に恵まれた9日、約5万株のミヤマキリシマが自生する仙酔峡では、ピンクの花を背に記念写真を撮る観光客の姿が目立った。山鹿市から友人と訪れた女性(83)は「青空と山の風景と相まって癒やされる。この時季はいつ来ても楽しい」と美しい風景を満喫していた。

 ミヤマキリシマは標高の高い火山地帯に群生。阿蘇地域では仙酔峡のほか、高岳山頂付近や阿蘇山上広場付近に生息しており、順次見頃を迎える。

葉の裏に小さな白い花を咲かせたスズラン=9日、阿蘇市

 阿蘇市波野のスズラン自生地では9日、約5万株の一部が小さな白い花をつけ、観光客の足元を彩った。キジカクシ科の多年草で熊本県の希少野生動植物。地元の管理組合によると、今年は例年より1週間ほど早く咲き始めたという。

 夫婦で訪れた大牟田市の男性(69)は「今年もスズランのかわいい写真が撮れた。また来年も来たい、と思えるすてきな場所」と話した。

 阿蘇市は開花情報をホームページで随時、発信している。(小田喜一)

葉の裏に小さな白い花を咲かせたスズラン=9日、阿蘇市

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