大分市ふないポルトソール商店街、電線の地中化完了 芸文短大生が舗装などデザイン【大分県】

電線地中化後のふないポルトソール商店街
電線地中化前のふないポルトソール商店街
県立芸術文化短期大の学生がデザインした地上機器=大分市府内町

 【大分】大分市が府内町1丁目のふないポルトソール商店街で進めてきた電線の地中化工事が完了した。歩くのが楽しくなる街を目指し、同市の県立芸術文化短期大生のデザインで舗装や街灯を一新。25日正午から記念式典を開く。

 工事は、安全で快適な通行空間を確保するため2017年度に着手。商店街を貫く市道府内11号線(約400メートル)と、同3号線の一部(約120メートル)から電柱計31本を撤去し、今年3月末に完了した。総事業費は約12億円。

 通りは車道5.5メートル、歩道2.5メートルと狭く、変圧器などを収容する地上機器を設置するため、市は11号線と3号線の交差点付近に約85平方メートルの用地を買収。駐輪場を整備し、2階に機器12基を集約した。コンパルホールや大分センチュリーホテル、トキハ会館の敷地内にも計16基を配置した。

 舗装や街灯のデザインは、県立芸術文化短期大情報コミュニケーション学科の学生が担当。白い自然石を基調に、歩道は周辺施設との調和を図って落ち着いた色彩のレンガ調にし、街灯はシンプルなものにまとめた。

 また、通りに面した地上機器9基の側面に同学科の学生が絵をデザイン。商店主や事業者から街の歴史や文化、世界中の人が訪れる通りにしたいという思いを聞き、6大陸を代表する動植物を描き、国際色の豊かさや多様性を表現したという。

 地権者でつくる期成会の薬真寺克尚さん(86)は「多くの人の協力で完成し、ホッとしている。明るく美しくなった街を歩くのは楽しい。通りに似合う魅力的な場所をみんなでつくっていきたい」と話している。

 記念式典は同商店街の特設会場と祝祭の広場で。神事やテープカット、渡り初めなどがある。

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